面倒な仕事、家事、人間関係…「イヤ」なことはやらなくていい。そのシンプルな理由

ビジネス

公開日:2020/3/9

『イヤなことは死んでもやるな』(金川顕教/KADOKAWA)

「イヤなことは死んでもやるな」
 
 そう言われて、「そんなことができたらば苦労しないよ!」と思う人は多いだろう。満員電車に揺られ、苦手な人に笑顔で接し、行きたくもない飲み会に参加する。家に帰れば、料理や洗濯、掃除などのやらないといけないタスクが待っている。どうすれば、イヤなこと、やりたくないことをやめ、やりたいことに集中できるのか。

「やりたいことを実現するためには、やりたくないことリストを作ること」

 そう語るのは、公認会計士・経営コンサルタントの金川顕教氏。金川氏は世界的に有名な監査法人に就職したものの、大金持ちになりたいという夢を叶えるため、独立して複数のオーナー業を兼任する社長に。年収1億円超を得るに至った。その経験をもとに、やりたいことを実現する方法やコツをまとめたのが、『イヤなことは死んでもやるな』(金川顕教/KADOKAWA)だ。

 しかし、なぜやりたいことではなく、“やりたくないこと”のリストなのか。その理由は、イヤなことをやめることで、本当にやりたいことが見えてくるからだという。実際に金川氏はこのリストを活用して、会社を辞めて独立するというステップを踏むことができた。

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「やりたくないことリスト」で自分の願望を明確化する

 では、「やりたくないことリスト」はどうやって作ればいいのだろうか。まず、やりたくないことを箇条書きにしてみよう。できる・できないに関わらず、思ったことを書くこと。また、どんなことでもいいので、やりたくない理由を書き加えることがポイントだ。
 
 例えば、「会社に行きたくない」ということを挙げたら、その理由は満員電車での通勤がツラいだったり、苦手な人と接するのがツラいだったり、疲れるからこれ以上残業したくないだったり…。

 箇条書きにして理由を添えていくことで、自分のやりたくないことが改めて明確になっていく。そうすると、「やめられないだろうな…」というネガティブな気持ちが、「いつかきっとやめるぞ!」というポジティブな気持ちに変わっていくはずだ。
 
 次に、箇条書きにした項目を、「すぐにやめる」「いずれやめる」の2つに振り分けてみよう。例えば、「晩御飯を作りたくない」を「すぐにやめる」に分けたり、「会社に行きたくない」を「いずれやめる」に分類したり、といった具合だ。

「すぐにやめる」分類に入れれば、よし、早くやめようという気持ちになるし、「いずれやめる」と保留することで、すぐにはやめづらいことでもリストには入れておこうという気持ちが固まる。この分類に慣れてきたら、自分で期限を設定して、やめるスピードを上げていくのもいいだろう。

リストを作っても上手に「やめられない」という時は?

 最後に、こうやって作ったリストを目に付きやすいところに貼り、やめられたことから消していき、やめられなくても焦らずに、毎日眺め続けよう。そして、やめるための対策が思い浮かんだら随時書き加えていく。
 
 やめたいと思っているのになかなかすぐにはやめられない項目もあるだろう。でも、やめることができた項目が増えていけば、自信は自然とついてくる。また、やめるためのノウハウも少しずつ身についてくるので、アナタの「やめるレベル」は上がっているはずだ。

 やりたいと思っていても、「自分には向いていないかも…」と消極的になってあきらめてしまうことは多い。しかし、金川氏は「できるか・できないかではなく、やりたいか・やりたくないかを基準に考えるべき」と語る。

 苦手なことでも、継続さえしていれば結果は出せる。そう、まさに「継続は力なり」なのだ。そのために一刻もはやく、やりたいことをスタートしたい。

 本書では、ここで紹介した「やりたくないことリスト」のほか、結果を出すための「逆算思考」「勝者思考」「インプット・アウトプットの効率的な方法」など、自分なりの成功を手にするためのコツが多数掲載されている。

「本当にやりたいことが分からない」
「仕事をなんとなく続けているけれど、本当にやりたいことは別にある気がする」
「本当はやりたいことがあるけれど、仕事やプライベートが忙しくてできない」

 もし、こんな気持ちで鬱々と悩んでいるという方は、ぜひ本書のページを開いてみてほしい。人生に転機を生み出すヒントがあるはずだ。

文=冴島友貴