“Loves it.”(大好きだわ)は文法ミス! ネイティブでも間違える「残念な英語」から見えてくること

暮らし

2020/5/21

『残念な英語』(デイビッド・セイン/光文社)

 中学高校6年間、大学を入れると10年間も英語を勉強するというのに、多くの日本人が英語に苦手意識を持っている。TOEIC900点を超えていても、ネイティブスピーカーを前にするとまったく話せないという人も少なくない。なぜ日本人はこうも英語を話せないのか。ひとつの原因は、「間違えるのが恥ずかしい」と思ってしまうからではないだろうか。

『残念な英語』(光文社)の著者・デイビッド・セイン氏は、30年ほど日本で英語を教えてきた中、「せっかく英語力があるというのに、些細な間違いで話が通じなかったり、誤解されたりすることで英語への苦手意識を持ってしまうのは非常にもったいない」として、筆を執った。ネイティブの“残念な英語”を紹介することで、「みんなミスをする。大事なのは自信を持って話すこと」というメッセージを伝えている。

パリス・ヒルトンだって間違える!

The pool is as warm as bath water. Feels amazing. Loves it.(プールはお風呂みたいに温かくて気分がいい。大好きだわ)

 ある日、パリス・ヒルトンはTwitterでこう呟いたそうだが、実はこの英語、間違いがある。最後の、“Loves it.”だ。このツイートの主語はパリス本人。つまり一人称なので、“I love it.”。これからIを省略すると、正しくは“Love it.”になる。日本人が「てにをは」を間違えることがあるように、英語のネイティブだって「三単現(三人称・単数・現在)にsをつける」という基礎をミスることがある。そう考えると、細かい間違いを恐れるのはバカらしく思えてこないだろうか。

ネイティブの間違い英語TOP10

 アメリカの公共ネットワークNPR(National Public Radio)が募ったThe ‘NPR Grammar Hall Of Shame’(誤って使われがちな英語用法TOP10)の1位と2位を見てみよう。

【2位・“So”で文を始める】

 口癖でやたらとSoで文を始めてしまうネイティブスピーカーは多い。しかし、Soは通常、前の文を説明する接続詞なので、唐突にSoで始めるのは誤り。例えば「そういうわけで、忙しいんです」と言うとき、“So, I’m busy.”と言ってしまいがちだが、正しくは“That’s why I’m busy.”である。

【1位・“I” と “me”】

 1位は、“…and I”とすべきところを、“…and me”としてしまうミス。「デイブとわたしの写真を撮っていただけますか?」と言うとき、正しくは“Could you take a picture of Dave and I?”だが、“Could you take a picture of Dave and me?”と言ってしまいがちだという。

 英語の間違いを恐れてしまうとき、こう考えてみてほしい。果たして自分は普段、正しい日本語を話しているだろうか?――ネイティブスピーカーだって、ミスをする。正しい英語を話すより、まずは伝わる英語を話すこと。言語を学問としてではなく、コミュニケーションのツールとして捉えれば、話すことはグンと楽しくなるのだと本書は教えてくれる。

文=尾崎ムギ子

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