SNSで累計33万人が胸キュン! 好きな人の一挙手一投足に一喜一憂する“恋の一歩前”に悶絶

マンガ

公開日:2020/5/12

『これが恋だとわかるまで』(文之助/KADOKAWA)

 ひと目で恋に落ちることを“一目惚れ”なんていいますが、一目惚れはむしろレアケース。一緒に時間を過ごすうちに好きになっていた、という人のほうが多いのではないでしょうか。なかには、「告白したら今の関係が変わってしまうかも」と自分の恋心を隠している人もいるかもしれません。

 そんな淡い気持ちを思い出させてくれるのが『これが恋だとわかるまで』(文之助/KADOKAWA)。

 著者の文之助(@argturuinmd)さんがSNSに投稿し、累計33万人がときめいたというショートストーリーに出てくる4組の男女の恋愛シチュエーションを描き下ろして1冊にまとめた同書。無自覚両思いの幼馴染や、マジメな生徒会長と元不良の男子高校生の恋…など、さまざまな“恋の一歩手前カップル”が登場します。

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 一見チャラそうな美容師・須賀くんと、彼がカットを担当している女子大生・新里さん。ふたりの恋模様は、好きな人の言葉や行動に一喜一憂するピュアな気持ちが描かれています。

 ふたりの出逢いは、もちろん美容院。その日新里さんは、元彼の好みに合わせて伸ばしたロングヘアを切るために須賀くんの店を訪れました。彼女の投げやりな気持ちを察した須賀くんは「好きじゃないんですか? 今の素敵なロングヘア 僕はとても素敵だと思います」と、ひと言。新里さんは須賀くんの言葉を聞き「この気持ちに整理がついたら、また来ます」と告げて帰っていきました。

 彼女は“たとえ髪型を変えても、元彼への気持ちを整理しなければ前に進めない”と気がついたのかもしれません。その後、自分と向き合った新里さんは、再び須賀くんにカットをお願いするのでした。恋の終わりに出逢ったふたりが、ゆっくり関係を育む様子を悶絶しながら読むのがおすすめです。

 そしてキャラクターたちの“心の声”にも注目してほしい。須賀くんと新里さん、両名の心の声がとにかくダダ漏れなんです。たとえば、街で偶然須賀くんと鉢合わせた新里さんの心の声がコチラ。

「ぎゃぁぁぁあああああああああああああああ す…須賀さん…やばすぎるイケメン…なぜこんなところに…」

 鉢合わせてしまった驚きの前に「やばすぎるイケメン」という、感想が先に出てしまう新里さん、とても好感が持てます。一方、須賀くんの心の声も負けていません。ある日、須賀くんは髪を切るために来店した新里さんの髪色に違和感を覚えます。

「!? ん? え? なに? 何この違和感なにこれ なんか髪色が…? え?」
「そもそもなんでうちで染めなかったのかなんて、失礼な質問なのかもしれないが、気になりすぎて死ぬ」
「聞くんだ さりげなく 聞け 聞け」
(カット終了)
「怖くて無理」

 と、カット中ずっと彼女の髪色について思案し、結局聞けずに終わってしまいました。担当美容師としても気になるし、彼女の心境も気になる…新里さんに翻弄されまくる須賀くんのかわいさは必見です。恋をすると、ちょっとした相手の言動に心が揺さぶられますよね。わかります…!

 はたして、ふたりの恋は成就するのか、ぜひ手に取って確認してみてください。タイトル通り「これが恋だとわかるまで」の道のりが楽しめる同書。恋をしたいあなたにピッタリの1冊です。

文=丸井カナコ

『これが恋だとわかるまで』作品ページ