2人をつい応援したくなる! 超ネガティブ男子と超ポジティブ女子のすれ違いラブコメ登場

マンガ

公開日:2020/6/18

『ネガくんとポジちゃん』(森田俊平/KADOKAWA)

 学生時代の恋愛は、大人になった今でも甘酸っぱい青春の1ページとして思い出に残るもの。昔を思い出し、「なんであんなにネガティブに考えてしまったのか」「恥ずかしがらずにデートに誘えばよかった」と懐かしみながらも後悔する人も多いはず。

『ネガくんとポジちゃん』(森田俊平/KADOKAWA)は、そんな青春時代を過ごした大人が読むと、つい懐かしくなるラブコメ漫画である。

 物語の主人公は保志沙也加と根賀修弥の2人。彼らは同じクラスでしかも両想いなのだが……恋人同士ではない。原因はただ1つ、2人の性格にある。皆から慕われるほど明るく、超ポジティブな性格の保志さんに対し、根賀くんは自分のことを“陰気の塊・キングオブ根暗”と呼ぶほど超ネガティブ男子。そう、彼らはまったく正反対の性格なのだ!

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 本作はこの設定をベースに、2人が見事にすれ違っていくさまが描かれていく。例えば、保志さんが根賀くんの落とした消しゴムを拾うという、学校ではよくある光景ひとつにしても2人の思いは極端に分かれてしまう。保志さんは、根賀くんにお礼を言ってもらえたことに興奮し、結婚まで妄想を広げるほどポジティブさを発揮する。しかし根賀くんは、「保志さんから絶対にキモイと言われた」と決めつけ、自分をより卑下してしまうのだ。すれ違いにもほどがある。

 作中では、そんな2人をくっつけようとサポートに徹する友人もいる。彼らは主に、根賀くんに助け舟を出していく。クレープの半額クーポンを2枚渡して保志さんを誘うよう仕向け、たまたま一緒になったプールでも2人きりになれるよう席を外してくれる。たとえ仲が良くても、ここまで親身に応援してくれるほどできた友人はそういないだろう。

 しかし、根賀くんのネガティブ度は、ことごとく彼らの予想を裏切ってしまう。僕も読んでいる最中、「そうじゃないってばー……(笑)」と口に出してしまったほどだ。

 また1巻では、彼らがポジティブとネガティブになったきっかけを知ることができる。実は、もともと保志さんはネガティブで根賀くんはポジティブだったという。なぜ彼らが正反対の性格に変わってしまったのか、その謎はぜひ本書を手にして知っていただきたい。

 本書を手に取る人の中には、絶賛片想い中の人もいるはずだろう。そんな人たちは保志ちゃんとまではいかずとも、ぜひ何事もポジティブに捉えることをおすすめする。もし、根賀くんのようなネガティブさを発揮してしまいそうになったら、この本を手にして反面教師にしてみよう。

文=トヤカン