“感動”を切り取る撮影アイデアが満載! 子どもの自然な笑顔を引き出すテクニック不要の方法って?

出産・子育て

更新日:2020/9/2

しあわせカメラ 子どもの自己肯定感が育つ魔法の撮影レシピ
『しあわせカメラ 子どもの自己肯定感が育つ魔法の撮影レシピ』(パパカメラ/自由国民社)

 夏の思い出の写真、子どもは本当に笑ってますか? いつものピース写真、背景だけが違う写真、なんてことになっていませんか?

『しあわせカメラ 子どもの自己肯定感が育つ魔法の撮影レシピ』(パパカメラ/自由国民社)は「しあわせ溢れる子どものステキな写真」を撮るためのテクニックを教わりつつ、子どもの自己肯定感を育てられる1冊です。

 著者であるパパカメラさんは、有名TV番組を幾つも手がける放送作家。アイデア満載の「しあわせを写し込んだ」写真のその撮影テクニックは、小田和正さんの歌声で知られる明治安田生命のCMに6回も採用されたほどです。

advertisement

 本書で紹介されているのは、カメラ知識がまったくなくても、簡単に取り入れられる撮影テクニックばかり。むずかしそうな技術はひとつもありません。スマホOKなところも嬉しいポイント。背景が変わっただけのニッコリ写真ではなく、子どもの自然な笑顔を写したい人におすすめです。

子どもの自然な笑顔を引き出すポイントは?

しあわせカメラ 子どもの自己肯定感が育つ魔法の撮影レシピ

「親子で楽しもう」「思い出の写真も撮れたらいいな」とお出かけしたのに、「汚いからダメ」「危ないからダメ」などと叱ってばかりで、写真を撮ろうとしても不満顔をされてしまう…。そんな時は、「さっきは叱ったりしてゴメンね」と謝りつつ、子どもに“仕返し”してもらうのはいかがでしょうか?

 この写真では、親に落ち葉をかけ、悲鳴をあげる姿を見ておもしろがる子どもの“ワル顔”を引き出しています。「いい背景の前でとりあえず笑って」とありがちな1枚ではなく、子どもを心底楽しませながら、イチョウの葉が宙を舞う様子まで演出するというありがたいテクニック。イチョウが色付くこれからの季節に真似できそうです。

 自然な笑顔を引き出すポイントは、「遊びで楽しませること」や「楽しみを邪魔しないこと」。撮影前には「そこに立って!」ではなく「おもしろい遊びやるよ!」と声をかけます。遊びを中断させるようなら撮影は後回しにするくらいの気持ちが大切です。

 各ページでは、撮影に必要なアイデアが「撮影レシピ」として分かりやすく紹介されています。ちなみに、こちらの写真の「材料」は「親の悲鳴」。これがないと、この自然な笑顔は出ないというわけです。レシピには、子どもを楽しませるためのコツや、“背景色を考えた服選び”など、今すぐできそうな写真映えUPするカンタン撮影テクニックが満載です。

“感動”を切り取った写真がしあわせを呼ぶ

しあわせカメラ 子どもの自己肯定感が育つ魔法の撮影レシピ

 高く積み上げられたタワーのそばには、ガッツポーズをする嬉しそうな子どもが。この写真のポイントは、 “感動の瞬間”を切り取っていることです。

 コツは、「記録より記憶に残る写真」を意識すること。写真に撮っておきたい出来事があると、ついカメラを構えて「ハイポーズ!」となりそうですが、そうではなく、まさにタワーが積み上がり、子どもの感情が動いたその瞬間を写し出しています。“感動”を写し込むことで、心動かされる仕上がりに。「本当に嬉しそうなガッツポーズだったよね!」なんて、数年後の思い出話にも花が咲くのでは?

 ちなみに、「撮影レシピの材料」は「高く積み上げられるもの」と「何度もやりなおす根気強さ」。あとは最初に建て方の作戦を考え、地道に積み上げるのみ。実際の撮影では、妹とともに高さを競って、「負けたくない!」という気持ちがガッツポーズにつながったそうです。競争相手がいると、子どもの集中力が高まるそうですよ。

その場の“空気感”まで思い出せる写真マンガ

しあわせカメラ 子どもの自己肯定感が育つ魔法の撮影レシピ

 憧れのカブトムシに出会い、泣きながら別れるまでの「子どもが一歩成長した夏のひとコマ」を写真マンガに仕立てたページには、こちらまで泣けてきました…。このように、子どもの顔が写った写真だけでなく、走っていく後ろ姿や風景なども一緒に撮っておくと、その時の“空気感”までを思い出せる写真マンガに仕立てることができます。

 本書を参考に、子どもの自然な表情を撮影できるようになったら、いい写真を撮りためて、こんなアレンジを楽しむのはいかがでしょうか。

子どもの自己肯定感が65%→90.6%にアップする写真撮影

 撮影中は子どもに画面を見せながら一緒にいい写真を目指し、さらに撮った写真はプリントしたり、飾ったりと、形に残すことが大切だそうです。子どもの写真を飾って褒め言葉をかけることで、子どもの自己肯定感(自分自身に満足している)が65%から90.6%にアップしたデータも本書に紹介されています。

 無理やりポーズを取らせて写真嫌いにさせるのか、親子で楽しく遊んだ思い出を写真と共に残してあげるのか、子どもとの接し方で結果は大きく変わります。頭の固い筆者には思いつかないようなおもしろアイデアばかりで、帯に書かれた“楽しい子育て×写真アイデア集”に納得でした!

文=麻布たぬ