韓国ドラマ「ロマンスは別冊付録」住む場所もお金もないアラフォー女性に訪れたのは…雑用係と年下男子のラブロマンス

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更新日:2020/12/6

ロマンスは別冊付録
Netflixオリジナルシリーズ『ロマンスは別冊付録』独占配信中

 とびっきりのラブロマンスにときめきたい。でも、恋愛だけじゃ物足りない。そんな人にオススメしたいのがドラマ「ロマンスは別冊付録」だ。タイトル通り、この作品におけるロマンスは、決してメインではないけれど、特別なスパイスのような役割で私たちの胸をキュンとさせる。

 主人公は、イ・ナヨン演じるカン・ダニ。かつては広告業界で人気を博していたコピーライターだが、結婚後退職。出産と育児を経て完全にブランクが空いた彼女は、離婚後、広告業界に復帰しようとしたところ、すっかり自分は昔の時代の人間として相手にされていないことに気づく。住む場所もなく、どこも採用してくれない中、窮地に立たされた彼女は、嘘をついて昔からの友人であり出版社の編集長チャ・ウノ(イ・ジョンソク)の家に家政婦として忍び込み、寝食を得る日々。しかしそんな嘘は長くは続かなくて――。

ロマンスは別冊付録
Netflixオリジナルシリーズ『ロマンスは別冊付録』独占配信中

 チャ・ウノは若いながらも天才作家として名が売れており、「図書出版 キョル」の編集長でもある。仕事ができて、容姿も美しく、性格もいい。どこを切り取ってもいい男のウノは、しかしダニとは幼い頃からの腐れ縁のような関係であり、弟扱いされている。明らかにウノはダニに対して好意があるが、ダニにまったく相手にされていない感じがまた可愛らしい。ダニの結婚により一度は彼女への恋を諦めたウノだったが、彼女が離婚していたということを知り、改めて恋心を募らせるようになる。彼女の不法侵入から始まった同居生活も、ウノの想いがあってこそスタートしたものだ。

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 そんな2人のちぐはぐとした同居生活とともに描かれるのは、カン・ダニの仕事再起物語である。学歴もキャリアもある彼女は、むしろオーバースペックのように見られてしまったり、その履歴書に見合う働き口には相手にされなかったり、なんとももどかしい日々を過ごしていた。そこでヤケになった彼女は、高卒だと嘘をついて「図書出版 キョル」で雑用係である契約社員に応募することにする。

 晴れて採用され、約7年ぶりの会社生活。最初こそ、彼女はやっと働き口を見つけられた安堵と喜びに心躍らせるが、次第に正社員が任されるような企画系の仕事に興味を持ち始める。もともと仕事ができる彼女は、しかし契約社員ということで見下されたり、結果を横取りされたり、雑用だけしかさせてもらえなかったり、なかなか思う通りにはいかない。

 専業主婦の職場復帰や正社員と契約社員の待遇差など現代社会でも度々課題とされる部分を、あくまでポップに描く。このドラマは、一貫して明るく前向きな雰囲気で観ることができるのがいい。

ロマンスは別冊付録
Netflixオリジナルシリーズ『ロマンスは別冊付録』独占配信中

 ウノとの年下男子とのラブロマンスはもちろん、他の社員たちのキャラも立っていて、サイドストーリーもとても見応えがあっておもしろい。最初はダニに意地悪を言ったり冷たく当たっていた社員も、どこか人間味があって憎めない。特に女性社員たちの結束が高まる夜のナイトクラブシーンはこのドラマの中でも名シーンだと思う。

 そして、カン・ダニを想うもうひとりの存在、ウィ・ハジュン演じるフリーランスの装丁家・チ・ソジュンがこの物語にミステリー要素も加えてさらにおもしろさの幅を広げている。(ちなみに、このドラマで年下男子とのラブロマンスにハマってしまった人には、ウィ・ハジュンが主人公の弟役として出演する「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」も最高の年下男子が登場し、さらにロマンス度が高くオススメだ)。

 ロマンスとキャリアを、ここまでバランスよく描いた韓国ドラマも珍しいように思う。それでいて、暗い気持ちにはさせない、ユーモアもときめきもたっぷり、どこまでもキラキラと明るくてポップな作品。最後の最後まで気分良く観ることができるオススメのドラマだ。

文=園田もなか

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