仕事も人間関係も…“何もかもめんどくさい”の心理。マンガで学ぶ「めんどくさいをなくす方法」

暮らし

公開日:2020/10/8

マンガで「めんどくさい」がなくなる本
『マンガで「めんどくさい」がなくなる本』(鶴田豊和:著、藤原ちづる:作画、鍋島焼太郎:シナリオ原作/フォレスト出版)

 朝起きること、仕事に行くこと、食事を作ること、人と付き合うこと。日常生活は、あらゆる「めんどくさい」で溢れている。やる気が出ず、後回しにして、さらに行動するのが億劫になる、という悪循環から抜け出せなくなっている人も多いのではないだろうか。

 何もかもがめんどくさい。そんな感情を解消するメソッドを解説した1冊が『マンガで「めんどくさい」がなくなる本』(鶴田豊和:著、藤原ちづる:作画、鍋島焼太郎:シナリオ原作/フォレスト出版)だ。

マンガで「めんどくさい」がなくなる本

 本書は2015年に刊行され、17.5万部を突破したベストセラー本のマンガ版。めんどくさがりなOLのミユキが、上司のチサトから心理学テクニックを学び、「めんどくさい」を解消して成長していくストーリー仕立てのコミックパートと解説パートで構成されている。

 著者の鶴田豊和氏は、これまでにのべ1万人以上の相談者の悩みを解決してきた行動心理コンサルタント。著者によると、相談者に共通するのは「めんどくさい」という感情を抱いていること。すなわち「めんどくさい」が解消されれば、大半の悩みは解決するのだという。

めんどくさい発生のメカニズムは…いろいろ考えてしまうこと

マンガで「めんどくさい」がなくなる本

 家事も仕事も人付き合いも、すべては“自分のため”である。にもかかわらず、なぜ私たちは、何もかもめんどくさくなってしまうのだろう。

 本書によると、めんどくさい発生のメカニズムには【「やらなきゃ」と思う】⇒【いろいろ考えてしまう】⇒【めんどくさいと感じる】という一連の流れがある。いろいろ考えてしまうことで、私たちは行動を起こしづらくなるというのだ。

「めんどくさい」を引き起こす考え方には、以下の5つが挙げられる。

①考えるのは良いことだ
②効率的にやりたい
③最初から良い結果を出そう
④選択肢は多いほうが良い
⑤できないのは意志が弱いから

 たとえば、①のような考えを持っている人は多いと思う。本書で紹介されている研究によると、人は1日に6万回の考え事をしており、その8割がネガティブなものであるという。人はポジティブよりネガティブなことを強烈に記憶しやすいため、“考えるのは良いこと”とは決して言えないのだ。

 このように、誤った考え方がクセになっていると「めんどくさい」という感情は起こりやすくなるのである。

「めんどくさい」を解消するための心理テクニック

マンガで「めんどくさい」がなくなる本

 では、「めんどくさい」と感じるより先に行動を起こすにはどうすればいいのか。本書によると、行動を起こすためにやる気やモチベーションは一切関係ない。大切なのは“少しの心理の差”、すなわち発想の違いである。

「めんどくさい」という感情の発端は「やらなきゃ」と思うことである。しかしこの「やらなきゃ」という考えは、あくまで主観でしかない。私たちは、本来ならやる必要のないことまで「やらなきゃ」と思い込んで、めんどくさくなっていることが多いという。実は「やらなきゃ」は、考え方次第でかなりの数減らせるのだ。

 しかし「やらなきゃ」をゼロにすることはできない。本書では効果実証済みの心理テクニックを用いて、必要な「やらなきゃ」に対して「めんどくさい」をなくし、行動に移すための10の工夫を紹介している。

 たとえば、本書の主人公・ミユキは「朝のゴミ捨て」をめんどくさく感じていた。そこで「初期状態維持の法則」という心理テクニックに基づき、起きてすぐに外に出られる格好(ジャージ)で寝る、という工夫を始める。また、ゴミ捨ての帰り道だけ軽いランニングをする、という継続しやすい行動にも取り組み始めた。

 こうした小さな工夫を積み重ねていくことで、自分の中にある「めんどくさい」は、無理なく解消していけるのだ。

嫌い・苦手な人との「めんどくさい」付き合いはどうすればいい?

マンガで「めんどくさい」がなくなる本

 付き合いをめんどうに感じる相手として、嫌い・苦手な人が挙げられるだろう。

 本書によると、私たちは“相手に合わせようとして、自分が何となく無理をしている感じがある”時に「めんどくさい」と感じる。しかし、この場合、決して自分もしくは相手が悪いわけではない。「ルールがうまくいっていないだけ」なのだという。

 ルールとは「〜するべき」と自分のなかにある考えのこと。たとえば、感情的に話すのは避けるべきという自分ルールを持っている人は、そのルールを破ってくる相手、もしくは自分がルールを破ってしまった時に不快感を覚える。この不快感のせいで、人付き合いが「めんどくさくなる」のである。

 一方で、これらのルールは自分のなかで作り上げたもので、絶対ではない。ルールは手放したり、減らしたりしていける。人間関係の「めんどくさい」も、自分の心に変化を起こすことで解消していけるのだ。

 本書を読むと、「めんどくさい」という感情は、本来そこまで重要ではない考え方やルールに自分自身が縛り付けられているサイン、ということが分かってくる。「これではいけない」と自分にムチを打つためでなく、自分のムリに気づくために、本書は役に立ってくれるだろう。

 普段は「本を読むのもめんどくさい」人でも、コミックパートを含む本書なら比較的手に取りやすいはず。本書を「めんどくさい」という感情を手放す手がかりにしてみては?

文=ひがしあや