「何をつぶやけばいい?」と悩むフツーの人向けSNSの教科書。全員がインフルエンサーにならなくていい!

ビジネス

公開日:2020/11/13

『「普通」の人のためのSNSの教科書』(徳力基彦/朝日新聞出版)

「今の時代はSNSが名刺代わり」「個人のブランディング発信力を高めよう」――SNSで影響力を持つインフルエンサーは、口をそろえてこう語り、SNSの活用はビジネスマンの必須スキルとみなされ始めている。とはいえ、誰もが“バズる”ツイートを連発し、ファンを作って有料noteでマネタイズ…というわけにはいかない。「本当にSNSは自分の仕事にも役立つのか?」と疑問に思っている人も多いのではないだろうか。
 
 そこで、『「普通」の人のためのSNSの教科書』(徳力基彦/朝日新聞出版)を紹介したい。本書は、ごく一握りのインフルエンサーを目指すのではなく、「普通」の会社員がSNSを仕事に役立てる方法を指南。「SNSだけで月○○万円稼ぐ」という方向性ではなく、SNSを仕事の輪が広げる“きっかけ”にする使い方だ。多くの人にとって、「これならできるかも」と思える内容のはず。まずは、SNSが実際にどう仕事に役立つのかを再確認しよう。

SNSが「普通」の人の仕事に役立つ理由

 著者は、SNSが仕事の役に立つ理由として以下の3つを挙げている。

①「プルのコミュニケーション」ができる
②「蓄積効果」がある
③アウトプットが「思考訓練」になる

 ここでは①②について説明しよう。SNSでの発信は、マーケティング用語では「プル型」にあたる。ダイレクトに訴求する「プッシュ型」とは違い、発信した情報を興味のある人が能動的に拾い、そこからコミュニケーションが生まれるものだ。たとえば、自分の仕事の悩みやノウハウをつぶやけば、リアルでは面識のない同業他社の社員が検索から見つけてくれるかもしれない。そこから「いいね」やフォローされて交流が始まり、参加したイベントで一緒に、なんてこともあるだろう。

 また、SNSには「蓄積効果」がある。毎日インスタを眺めている芸能人に対して知らず知らずのうちに親近感を覚えることがあるだろう。私たちのSNSも同じだ。日ごろから仕事での気づきなどを発信していれば、徐々に人となりや考え方が伝わり信頼が高まっていく。そこから仕事の依頼や、コラボレーションにつながることもある。最近はTwitterで転職のオファー、なんて話も珍しくない。

発信を続けやすいおすすめトピックは?

 SNSで発信する意味は理解できても「何を発信したらいい?」「文章力がないから書けない」としり込みしてしまう人もいるだろう。著者は、発信に「完璧さ」を追求する必要はないと語る。SNSの投稿は、メディアに原稿料をもらって書く記事とは違い、あくまでも仕事に役立つコミュニケーションをとることが目的だ。内容も「世の中にないものを書かなくちゃ」と気負わなくてもいい。著者によれば、初心者におすすめの続けやすいテーマは、「イベント」「ニュース」「本」だという。まずは気になったニュースや最近読んだ本の感想を“自分用のメモ”として発信してみよう。特にニュースは毎日たくさん配信されているから、ネタには困らないはずだ。

 SNSでの発信が継続できてきたら、次は他の人とは少し“ズラす”ことを意識するといいそうだ。本書では「意中の人や企業に探される準備をする」「正論よりも不完全を残す」「量より質、数より熱量を重視する」といった工夫を紹介。これらを取り入れていけば、よりSNSで反応が増えたり、つながりが生まれやすくなっていく。「仕事のため」と思うと構えてしまうかもしれないが、まずは肩の力を抜いて気楽に投稿してほしい。あなたも「何かいいことがあったらいいな」くらいの気持ちで始めてみては?

文=中川凌(@ryo_nakagawa_7

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