いまだに夏服が出しっぱなし…解決法は「服をたたまない」こと!? 「ざんねんな片づけ」から抜け出すためには

暮らし

公開日:2020/12/29

「ざんねんな片づけ」から抜け出す本 部屋も気分もこれでスッキリ!
『「ざんねんな片づけ」から抜け出す本 部屋も気分もこれでスッキリ!(王様文庫)』(本間朝子/三笠書房)

 年末の大仕事。それは大掃除だ。しなければスッキリとした気持ちで年を越せないが、やらないといけないと思うほどに気が重くなる。そもそも片づけが苦手、嫌いという人にとっては、フルマラソンの最後に待ち構えている心臓破りの坂のように思えることだろう。

『「ざんねんな片づけ」から抜け出す本 部屋も気分もこれでスッキリ!(王様文庫)』(本間朝子/三笠書房)を開いてみた。タイトルのとおり、「掃除」「片づけ」の問題を解決する方法がいくつも紹介されている。年末最後のミッションをクリアする助けになりそうだ。

 さて、とりあえずギチギチに詰め込まれている衣類からスッキリさせようとクローゼットを開けてみると、なんと真冬なのに半袖やサマーワンピースがある。そうだった、夏服を出しっぱなしにしていたんだった…と大掃除の出端を挫かれるパターンだが、本書にはそんな「衣替え」が苦手な人へのアドバイスが掲載されている。

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 手間のかかる衣替えを簡単に終わらせる方法、それは「服をたたまない」ことと本書は提案する。服はハンガーに吊るしたままにしておき、季節が変わるたびにハンガーの位置を入れ替える。「そろそろ、服の位置を変えようかな」くらいの気軽さで、衣替えができそうだ。

 次回から夏服の問題はこれで解決できそうだが、ギチギチの詰め込み具合は解消されない。根本的に量を減らさないといけない。つまり、不要な衣類を捨てる必要がある。本書は、「お気に入りの服や思い出の服など捨てられない服を捨てる方法」も示している。まず、手放す服の条件。それは「色あせ、生地の劣化、汚れがあるもの」「流行から外れているもの」「3年以上着ていないもの」の3つ。しかし、お気に入りの服だからこそ捨てられない。そんな場合は、「着てみる」のが一番だそう。頭の中で想像するだけだから「まだ着られる」「いつか着られるかも」と思ってしまう。実際に着てみると、年齢を重ねて似合わなくなっているなど、自分がもっていたイメージと変わっていることが分かり、捨てやすくなる。

 思い出がある服はどうだろうか。本書は「データ化」を勧めている。その服を着て出掛けて写真を撮る、服単体の写真を撮るなどして、写真データだけを残すのだ。本書いわく、気持ちというのは“もの”に入っているわけではなく、思い出をつくった時点でその役割を終えている。そう割り切れば、クローゼットをスッキリとできそうだ。

 衣類の整理が終わり、本棚整理に取り掛かってみよう。蔵書が多い人ほど、ため息をつきたくなる本棚掃除だが、本書は「奥をつぶす」テクニックを勧めている。本は本棚の奥にピッタリとくっつけて整頓したくなるが、そうではなく、本棚の手前のふちにそろえて並べるようにすれば、見た目もきれいで取り出しもしやすくなる。加えて、ホコリも溜まらない。大掃除のタスクが減る。この「奥をつぶす」テクニックは、キッチンの引き出しなどにも使える。奥が使いにくいなら、ダンボールの切れ端や発泡スチロールなどを詰めて空間を埋めて使えなくしてしまえば、整理も掃除もラクになる。

 片づけが苦手な人ほど、片づけられなかった自分にダメ出しをしがちだが、本書はそういった残念なことにならない方法やテクニックを数多く披露している。大掃除前に本書を手にしてもらいたい。

文=ルートつつみ(https://twitter.com/root223