テレワークで集中できないのは部屋のせい! わずか数分でできる「集中できる環境」を作る方法

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公開日:2021/1/19

集中できないのは、部屋のせい。 東大卒「収納コンサルタント」が開発! 科学的片づけメソッド37
『集中できないのは、部屋のせい。 東大卒「収納コンサルタント」が開発! 科学的片づけメソッド37』(米田まりな/PHP研究所)

 新型コロナウイルス感染症の拡大でテレワーク需要の高まりが収まらない。テレワークの大きな課題のひとつは「集中できないこと」だ。いまだ慣れないテレワークに、自宅にはプライベートな物と仕事で必要な物が混在している。安らぎの場である自宅で、会社にいるとき同様のパフォーマンスを発揮するためのヒントを探りたい。

『集中できないのは、部屋のせい。 東大卒「収納コンサルタント」が開発! 科学的片づけメソッド37』(米田まりな/PHP研究所)によると、散らかっている環境は、作業能率が悪い。人間はどんなに周りを気にしないようにしても、視界に余計な情報が入る環境だと、集中力が知らず知らずのうちに減退していくそうだ。本書が示す研究結果によれば、雑多な物が視界に入る環境では、集中力が40%も低下する。もし、あなたが目の前の作業にイマイチ集中できないのなら、それは意志が弱いのではなく、視覚刺激の種類が多い環境のせいかもしれないのだ。本書は「リモートワークのオンとオフの切り替えが難しい」と悩む人の多くが、仕事道具をオフの時間にも出しっ放しにしていると指摘。視覚刺激によって、常時、仕事オンモードになる環境を作ってしまっているのだ。集中に欠けるばかりか、安らげる時間を失うことで、心身ともが徐々に疲弊してしまう。

 本書のメソッドは「全集中できる最高の作業環境に変えられる」ものだが、取り急ぎ、わずか数分で「集中できる環境」を作る方法がある。至ってシンプルだ。「机の上をデフォルトで『0(ゼロ)』にする」こと。机の上は勉強道具しか置かないようにする、などという中途半端なものではない。言葉どおり、一切の物を机の上から下ろす。「定位置がデスクの上」という物をなくしてしまうのだ。ゼロデフォルトの机の上で作業を始め、終わったらゼロデフォルトに戻す。これを徹底することで、視覚刺激を排除し、仕事に集中できる。わずか数分ほどで、失っていた集中力が取り戻せるのなら、ありがたい。

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 もしかしたら、すこし散らかっているほうが集中できる、という人がいるかもしれない。確かに、本書によると、環境が綺麗すぎることで落ち着かないことも科学的に正しい。この場合、やはり一度は机の上をゼロデフォルトにし、それから多少の物を置く、という2段階で仕事の環境を整えることを勧めている。

 本書は科学的で新しい「整理・収納術」を数多く紹介している。例えば、「机周りの週間在庫回転率は『1以上』にする(1週間あたりの使用頻度が1回以上の物だけを置くようにする)」「片づいた部屋をリバウンドさせないために『引き算』思考を用いる』など、東大卒の収納コンサルタントならではの興味を引く考え方やメソッドが収録されている。どれも短時間で取り組めることが魅力だ。目の前の仕事が落ち着いたら、新年度の環境に向けて、じっくり取り組んでみると良さそうだ。

文=ルートつつみ(https://twitter.com/root223

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