怪獣の力を身につけた正義のオッサンの勇姿を見よ! 「ジャンププラス」が放つ正統派ヒーロー漫画『怪獣8号』が熱い!!

マンガ

公開日:2021/1/19

怪獣8号 1
『怪獣8号 1』(松本直也/集英社)

 漫画業界では『鬼滅の刃』の昨今における驚異的なセールスが話題であり、さらにポスト『鬼滅』として『呪術廻戦』が売り上げを伸ばしているという。この2作品に共通するのは、いずれも「週刊少年ジャンプ」発ということであり、日本における「少年ジャンプ」ブランドの強さを思い知らされる。そしてWEBの世界でも「少年ジャンププラス」というサイトが存在し、『彼方のアストラ』や『SPY×FAMILY』といったヒット作を数多く生み出しており、目の肥えた読者の注目を集めているのだ。現在も新たな作品が次々と誕生する中、またひとつ注目すべき作品が現れた。それが『怪獣8号』(松本直也/集英社)なのである。

 本作の主人公・日比野カフカは、なんと齢32というオッサンである。この世界で日本は「怪獣大国」と呼ばれており、ヒトならぬ「怪獣」が頻繁に出現するという状況だ。そしてその怪獣を退治する組織が「日本防衛隊」なのである。カフカは幼い頃、怪獣に家や街を破壊され、幼馴染の亜白ミナと共に「防衛隊員になる」と誓った。しかしミナが防衛隊のエースとして活躍する一方、カフカは防衛隊員になれずに怪獣の死骸の清掃業者として働く日々。防衛隊員になることを諦めかけていたカフカだが、隊員志願の若者・市川レノが清掃会社の後輩として彼の前に現れる。そしてレノとの出会いから、カフカの運命は大きく動き始めることに。

 事態が動き出すのは、怪獣に襲われそうだったレノをカフカが助けたことからだ。防衛隊の亜白ミナに救われ、病院へと運ばれたふたりだったが、なんとそこでカフカは怪獣のようなモノにとり憑かれてしまう。そして気づいてみれば、彼の体が怪獣そのものに変貌していたのだ。慌てて病院から逃げ出したカフカとレノは、その途中で怪獣と遭遇してしまう。怪獣に襲われていた親子を助けるため、カフカは怪獣の姿で敵と対峙。彼の放った一撃は、怪獣を粉々に粉砕してしまうのだった。そしてカフカは、防衛隊に「怪獣8号」というコードネームで呼ばれ、追われることになる。

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 この後、一応もとの人間の姿に戻れたカフカは、レノと共に防衛隊への入隊試験へと臨む。しかし試験には史上最高の逸材といわれる少女・四ノ宮キコルなど多くの実力者が揃っており、32歳で崖っぷちのカフカにとっては厳しい状況。果たして彼はこの試練を突破して、防衛隊員になれるのだろうか──?

 本作は「怪獣」という超常の力を手に入れた主人公が、自らの正体を隠しながら脅威に立ち向かっていくという、いわゆる「ヒーローもの」である。正体がバレれば防衛隊に敵として追われることになるスリル感や、カフカの正体を知りつつ彼に力を貸す仲間たちとの友情など、まさに正統派の「ジャンプ漫画」と呼べるものだ。まあ主人公はオッサンなのだが、その熱きヒーロー魂は若きジャンプヒーローたちと同様である。怪獣の力を身につけた正義のオッサンがどのような活躍を見せてくれるのか、今後の展開が楽しみだ。

文=木谷誠

この記事で紹介した書籍ほか

怪獣8号 1 (ジャンプコミックス)

著:
出版社:
集英社
発売日:
ISBN:
9784088825250