マスクかぶれが気になる時見直すべき化粧品は? 美容化学者×コスメ開発者が教える「化粧品の選び方」

健康・美容

更新日:2021/2/10

美肌成分事典
『美肌成分事典』(かずのすけ、白野実/主婦の友インフォス)

 なんだか肌の調子が悪い…。年齢を重ねるにつれ、そう感じることが増えてきた。夜、スキンケアに力を入れても、朝、鏡に映っているのはツヤ肌ではなく、“通夜”肌。もともと夏でも粉をふくほどの乾燥肌であるため、冬場はより顔面が切ないことになってしまう。

 そんな時、強い味方になってくれたのが『美肌成分事典』(かずのすけ、白野実/主婦の友インフォス)。本書は、自分の肌に合ったスキンケアや化粧品選びがわかる美肌成分事典。

 人気ブロガーであり美容化学者であるかずのすけ氏と、コスメ開発者の白野実氏が、化粧品成分を本音で解説しているため、コスメマニアや美容部員といったプロにもおすすめの1冊。シワや乾燥、ニキビなどといった悩み別や、化粧品に使用されている成分別で調べることができるのも嬉しい点だ。

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本当に肌に合った化粧品を選ぶには?

 私たちの皮膚は大きく分けて「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造になっており、表皮と真皮の内部では細胞が日々生まれ変わり続け、肌を支えている。

美肌成分事典 P78

 美肌を手に入れるには、化粧品を肌の奥底まで浸透させることが大切だと考えている人は多いかもしれないが、日本の法律では化粧品の効果は角層までと決まっているため、基底層まで届かせるのは難しい。

 しかし、皮膚には恒常性を維持する機能がある。正しいスキンケアで細胞を守り、角層を健全に保てれば、美肌は夢じゃない。正しいスキンケアとは、自分の肌に合った化粧品を選ぶことだ。

 そもそも、化粧品は「水性成分」「油性成分」「界面活性剤」という3つの成分をベースに作られている。その成分に着目し、自分の肌に適した化粧品を選ぶことが美肌への近道。例えば、「水性成分」に着目してみると、乾燥肌の方にはエタノールが含まれている化粧品は適していないことがわかる。

美肌成分事典 P50

美肌成分事典 P51

 こんな風に、ひとつひとつの成分を掘り下げて理解していけば、自分の肌を本当にケアしてくれる化粧品と巡り合うことができそうだ。

 本書には、誤解されがちな防腐剤の真実や日焼け止めの選び方なども記されているので、手持ちの化粧品を見ながら、そちらもチェックしてみてほしい。

乾燥肌さんはワセリンで水分蒸散を防止!

 この時期は、乾燥でメイクのノリが悪くなってしまうことも悩みの種に…。乾燥によって皮脂や水分量が失われると、負のスパイラルに陥ってしまうこともある。

美肌成分事典 P118

 乾燥の原因は加齢や洗いすぎ、生まれつき皮脂やセラミドなどの産生量が少ないなどさまざまだが、改善するために大切なのは乾燥の度合いや皮脂量に応じた化粧品選びをし、肌の水分量をキープする保湿をしていくこと。

 例えば、乳液やクリーム、美容オイルを選ぶ時はエモリエント効果(水分の蒸散を抑え、肌を柔軟にする)が高いものに着目。乾燥がひどい時はワセリンなどを使い、水分蒸散を防ぐのもおすすめなのだとか。

 なお、シートマスクを使用する際は、パッケージに記載されている使用時間を厳守。長時間のせたままだとシートマスク自体が乾き、逆に肌の水分が奪われてしまうので注意。週に1回~2回のスペシャルケアとして活用していこう。

マスクかぶれの時はクレンジングの見直しを

 このコロナ禍で新たな肌悩みとなったのが、マスクかぶれ。長時間マスクをつけなければならないため、肌が敏感になったり、かゆみに悩まされたりしている人は多いはず。そうした時は肌のバリア機能が低下し、過敏な状態になっているため、敏感肌に効果的なスキンケアを参考に、いつもの化粧品を見直していこう。

 まずは普段のメイクをできるだけ落としやすい軽めのものに変え、クレンジング剤も洗浄力の穏やかなアイテムに。

美肌成分事典 P40

美肌成分事典 P41

 肌の状態がよくない時は、ぬるま湯での洗浄にとどめたり、弱酸性のアミノ酸系洗浄料やベビーソープなどをしっかりと泡立てて、優しく洗うのがおすすめなのだとか。何をしてもダメだと諦めていた方にこそ、実践してみてほしい。

 自分の肌や化粧品としっかり向き合うことは、美肌への一番の近道に。値段ではなく、中身を見て化粧品を選べるようになれたら、自分史上最高の「私」も夢ではない。

文=古川諭香

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