もしも『機動戦士ガンダム』の世界に文藝春秋があったら……? 宇宙世紀100年の時代に「文春砲」が炸裂する!?

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公開日:2021/3/28

証言「機動戦士ガンダム」文藝春秋が見た宇宙世紀100年
『証言「機動戦士ガンダム」文藝春秋が見た宇宙世紀100年』(文藝春秋)

 最近、政治家や芸能人たちのスキャンダルなどをスクープした「文春砲」という言葉は、広く世間に知れ渡った感がある。文藝春秋が発行する『週刊文春』のスクープ記事を示す言葉なのはいうまでもないが、一部の著名人たちにとっては恐怖すら感じさせる響きがあろう。このようなスキャンダルやスクープを扱う文藝春秋が、もしも「ガンダム」世界に存在したら……? 『証言「機動戦士ガンダム」文藝春秋が見た宇宙世紀100年』(文藝春秋)はそんな「IF」の状況を設定し、文藝春秋の視点で「機動戦士ガンダム」シリーズに描かれた「宇宙世紀」の流れを追ってみようという試みで作られた一冊だ。

 先述のように、本書は「宇宙世紀に文藝春秋が存在したら……?」の体で作られているので、読者諸氏も宇宙世紀の住人になったつもりでスクープ記事を楽しむのがよいだろう。本稿では、収録されたスクープ記事の中から気になったものをピックアップして紹介してみたい。

一年戦争の英雄たちの恋愛事情

『機動戦士ガンダム』における一年戦争というのは無論、宇宙世紀79年から80年にかけて行なわれた地球連邦軍とジオン公国軍の戦争を指す。そしてこの戦いで英雄といえば、「白いモビルスーツ」ガンダムのパイロット「アムロ・レイ」と、「赤い彗星」の異名を持つパイロット「シャア・アズナブル」が筆頭だろう。このふたり、実は女性関係でもスゴ腕だった。文藝春秋ではアムロ、シャアの女性関係をそれぞれスクープしている。とはいえ、このふたりがプレイボーイなのかといえば、そうでもない。実はアムロとシャアには、同じ「ある女性」がその魂に深く存在しており、その存在が強すぎてなかなか女性と長続きしないという噂も……。私が文藝春秋の記者なら、その辺りを深掘りしてみたいところだ。

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証言「機動戦士ガンダム」文藝春秋が見た宇宙世紀100年

証言「機動戦士ガンダム」文藝春秋が見た宇宙世紀100年

真相はヤブの中? 怪しげな「噂話」を検証

 ゴシップ系の雑誌というのは、時として真偽の定かならぬ情報を真っ向から検証してしまう場合がある。『週刊文春』の「各地に出没する謎の飛行物体」という記事においては、ジオン軍のモビルアーマーを「宇宙からの警告」などとスクープ。確かにアッザムやアプサラスといった「異形」のモビルアーマーは、その存在を知らない民間ジャーナルにとってはまさに「未確認飛行物体」に違いあるまい。また「幻のM資金を追う」という記事では、マ・クベ大佐がつぶやいた「ジオンはあと10年戦える」という言葉を根拠に、秘密資金の存在について検証。このような記事の場合、結論を得ないケースがほとんどだが、案外とヤブの中にこそ真実はあるのかもしれない。

証言「機動戦士ガンダム」文藝春秋が見た宇宙世紀100年

証言「機動戦士ガンダム」文藝春秋が見た宇宙世紀100年

 実はかつて、私もジオン公国の架空の新聞を扱った書籍を作ったことがある。『機動戦士ガンダム』は、こういった自由な創作が昔から行なわれてきたのだ。だからこそ、40年の長きに亘って愛される作品となったのであり、今後もそうあり続けるのだろう。文藝春秋には、ぜひガンダムワールドの「スキャンダル列伝」など作っていただきたいものである。

文=木谷誠

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