コンビニバイトは1カ月でクビになったのに、年商14億円の企業をつくれた理由
公開日:2021/4/12
「“努力で何でも解決しよう”とするのは、絶対に間違いだと思っています。」
そう語るのは、コンビニやカフェのバイトが1カ月でクビになった経験を持つ、とある若者だ。のちに彼は「ダメな自分」を「武器」にして、YouTuber事務所「VAZ」を創業した。『「ダメな自分」でも武器になる コンビニバイトはクビでも年商14億企業をつくった男の人生戦略』(森泰輝/扶桑社)では、苦手なことを認めた若者の、等身大の処世術がつまびらかに語られている。
「他人には普通にできることが、僕にはできない」と、自分に絶望していた著者の森泰輝さん。YouTuberという派手な業界の裏側で、「マルチタスクが苦手で、2つ以上の作業を同時にこなせない」「人の気持ちを察するのが苦手で、気の利いた発言ができない」といった苦手さと地道に向き合っていた。
大学生だった森さんは、コンビニとカフェのアルバイトをそれぞれ1カ月でクビになった。手作業が苦手だったためレジ打ちがうまくできず、「お前ほど仕事ができないヤツは、今まで見たことがない」と言い捨てられたそうだ。のちに起業してからも、エクセルやパワーポイントの資料を作る作業が苦手で、インターン生にすぐ抜かれてしまった。
そうした経験から、森さんは“できないことばかり見ると「自己肯定感」が下がる”と気づき始めた。
彼が大切にしていた言葉がある。アメリカの漫画家チャールズ・M・シュルツの『ピーナッツ』に出てくるスヌーピーのセリフだ。
「配られたカードで勝負するっきゃないのさ、それがどういう意味であれ」
森さんは「ダメな自分」を認め、自分の「配られたカード」を最大限に活かすことで、国内最大級のYouTuber事務所を作るに至った。そのノウハウはきっと、「ダメな自分」に悩む多くの人の参考になるだろう。
“不器用さに悩んでいる人こそ、自分を武器にできる”と森さんは言う。「普通の人」にできることが自分にはできないと悩むとき、人は「普通になろう」としてしまいがちだ。しかしそうではなく、自分が「みんな違うことを許容する」だけで、「配られたカード」を最大限に活かして活躍することができる。
“苦手だったけど、努力して克服しました”というストーリーから距離を取ろう。もし少ないとしても、得意だと思える部分に力を注ごう。そうすれば、自己肯定感が上がり、成功できる可能性が高まる。自分を「ダメ」だと思っている人にヒントを提供してくれる一冊を、ぜひ。
文=遠藤光太
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