「この服で誰かに会いたくないと思ったら、その服は寿命。」捨てたい背中を押す格言集

暮らし

公開日:2021/5/1

28文字の捨てかた
『28文字の捨てかた』(yur.3/主婦の友社)

 誰もが「自分らしくありたい」と願っているのに、日々の家事に追われたり、人付き合いに疲れたり……。それでも自分なりの「理想の暮らし」を見つけていきたい。そんな気持ちに寄り添って、捨てる“格言”を発信して人々を応援しているインスタグラマーのゆりさん(@yur.3)。

 17.7万人(2021年4月現在)のフォロワーの心に刺さる言葉を生み出し続け、2019年に発売された初の著書『28文字の片づけ』は7万部の大ヒット。このたび、待望の第2弾『28文字の捨てかた』(yur.3/主婦の友社)が発売されました。

advertisement

目からウロコの格言が続々! 理想の暮らしに近づくヒント

 例えば、こんな格言が収録されています。

28文字の捨てかた p.38-39

「捨てる」は家事だ。

 モノを持てば持つほどメンテナンスや片づけなどの時間がかかる=家事が増えるということ。そういった意識は、持てていない人が多いのではないでしょうか。モノを捨てることでそれを管理する時間も手放すことができ、時短にもつながることを伝えています。

28文字の捨てかた p.54-55

服を選ぶとき、「この服で誰かに会いたくない」と思ったら、その服は寿命。

 ゆりさんによると、洋服は流行や好みがその時々で変わっていくため、比較的捨てやすいといいます。それでも何を捨てて、何を残すべきかと思い悩んでしまう人は、この格言を思い出してみて。

28文字の捨てかた p.78

ストレスにプチもクソもない。

 切れ味の悪い包丁や、焦げつくフライパンなどのキッチン道具についての言葉。「もったいない」とか「とりあえずまだ使えるし」といった感覚でやり過ごすより、思い切って買い替えてしまった方が取り払えるストレスが大きいというのは、意外と見落としがちな考え方かもしれません。

28文字の捨てかた p.106-107

誰かを傷つけるために発している人の言葉は1ミリも気にしなくていい。

 本書では、モノだけでなく人間関係の整理にも触れています。せっかくモノを捨てて身軽になったって、貴重な時間や労力を嫌いな人のために使ってしまっては本末転倒。「理想の暮らし」には、家事を減らす=時間にゆとりを作ることに加え、人付き合いを見直す=心を豊かにすることも大切なのでは、とゆりさんは考えているようです。

「理想の暮らし」は、「ちょうどいい」を知ること

 ただモノや人間関係を捨てることをおすすめしたって、続かないし、やる気が出ない。「理想の暮らし」を思い描くことができてはじめて、捨てることが意味を成す。そして、その「理想の暮らし」を諦めない人たちの背中を優しく押したい。そうしたゆりさんの考え方がどの言葉にものせられていて、読んでいるうちに、なんだか親しい友人にアドバイスをもらっているような温かな気持ちになります。

 一口に「理想の暮らし」と言っても、その意味はそれぞれに違うとは思いますが、本書の中で、ゆりさんが語っていた印象的な言葉があります。

目に見えなくても所有には限界があって
皆それぞれに適量があるのに
たぶんほとんどの人がそれより多くのものを持って
それに苦しみながらもいろんな理由で手放せずにいる。
けれど、そこから得られるものがないのなら
それは物の劣化を待ちながら、同時に暮らしも圧迫される
無意味でネガティブな時間です

「手放せない」モノや人間関係。「モノを捨てるなんてもったいない」「いい人でいなくちゃ」といった思い込みから脱してもいい。「自分にとってちょうどいい」を探せばいいんだと勇気をもらえます。

 部屋を片づけられない人、家事に追われている人、人間関係に悩んでいる人。毎日頑張っているからこそ生活が散らかっているのかも。そんな人が少し立ち止まって、自分を見つめ直せるような1冊です。

文=水卜小枝

あわせて読みたい