コナンファン必見! 安室透に今も影響を与える4人の男たち

マンガ

更新日:2021/6/17

 警察学校初の全科目オールA入校を果たした優等生だが、真面目すぎる性格のため、他の学生とイザコザが絶えない降谷零。どんなモノでも分解してしまう“分解魔”であり、協調性がなく、警察の職務に従順な降谷とはケンカが絶えない松田陣平。降谷の親友であり、長野県警の優秀な刑事の兄を持ち、人一倍正義感は強いが、過去に巻き込まれた事件にトラウマを抱えている諸伏景光。優れた洞察力とコミュニケーション能力を持つも、その能力を女子学生の尻を追い回すことにしか使っていない萩原研二。降谷に次いで総合力No.2、強いリーダーシップを持ちながらも、警察官だった父親の辞職を引きずっている伊達航…。5人は、警察学校で事件だらけの毎日を送るも、抜群のコンビネーションでそれを解決していくことになる。

 やがて、桜の木の下で出会った彼らの絆はかけがえのないものになっていく。読めば読むほど、男たちの絆に胸があつくなる作品なのだ。

 どうしてこの男たちの友情がこんなにも胸を打つのかと思えば、彼らのその後を知ってしまっているせいだろう。7年後のコナン本編の世界では、降谷以外の4人は、すでにこの世にいないのだ。どの人物も警察官として秀でた才能を持っていたというのになんと残念なことか。

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 だが、彼らは、今も降谷の心の中にいる。たとえば、映画『名探偵コナン ゼロの執行人』でも発揮されたドライビングテクニックは、萩原の影響に他ならないし、降谷が今料理上手なのは、諸伏の影響。そして、降谷がFBIの赤井秀一を恨む原因にも諸伏の死が絡んでいる。彼らの魂は今も降谷の中で生き続けているのだ。

 そして、今は亡き4人の姿は、降谷以外の警察官たちの心にも刻まれている。たとえば、松田と両思いだった佐藤美和子刑事にとって彼の殉職は心に深い傷を残すことになったし(コナン単行本36・37巻)、伊達は高木渉刑事の教育係として彼を指導し、高木にとって伊達は目指す刑事像となった(76・77巻)。今を生きる刑事たちに、彼らは強い影響を与え続けているのだ。

 今は亡き警察官たち。降谷は、佐藤は、高木は彼らに何を思うのか。そこにどんな事件が絡んでいくのか。少し気がはやいかもしれないが、2022年のコナン映画が今から楽しみで楽しみで仕方がない。

文=アサトーミナミ