38歳からでも遅くない? FPユーチューバーが教える「甘くない」お金の授業

ビジネス

公開日:2021/6/1

38歳までに受けたい「甘くない」お金の授業
『38歳までに受けたい「甘くない」お金の授業―― ビターな現実に打ち勝ち、人生を9割ラクにする方法』(井上ヨウスケ/ぱる出版)

 年金2000万問題を覚えているだろうか。世間をあれほど騒がせ、誰しも青ざめたあの文書は、今もなお、我々の背中にずっしりとのしかかっている。

 日本人は俗にお金のリテラシーが低く、投資に疎いとされてきた。徐々に変わってきているようだが、筆者自身正直なところ、そもそも保険や年金制度のこともあまり知らない……。

 心当たりがあるという人には『38歳までに受けたい「甘くない」お金の授業』(井上ヨウスケ/ぱる出版)が手助けになってくれる。28歳まで役者を目指し、その後ファイナンシャルプランナーとなった「FPユーチューバー」の著者が、ちょっとビターな現実を、わかりやすく教えてくれる。

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まずは「使う力」。お金の使い方を「仕分け」して自分の現実を知る

 本書では、「使う力」から始まり、「稼ぐ力」「守る力」「増やす力」と、お金のいろいろな側面を「力」になぞらえて章立ててある。

 まず、自分は何に、どれほどお金を使っているのか? パッと答えられたり、家計簿をキチンとつけていたりする人にはこの本は多分必要ない。お金を増やすにしろ、ムダをカットするにしろ、自分の「入ってくるお金」(=収入)と、「出ていくお金」(=出費)を把握しなければ、手も足も出ない。

 そうは言っても把握の仕方は細かくないので、私のように家計簿に失敗しがちな人も安心だ。

シンプルに「消費」と「浪費」と「投資」という3つのカテゴリーに分類してください。理想的な割合は以下のとおりです。
・消費 75%
・浪費 5%
・投資 20%

 この「投資」には本やセミナー受講などの「自分への投資」も含まれる。レシートを仕分け、一度明確化してみる。これによって浪費が多すぎる、または投資をしていない、など、自分自身の課題が大局観でわかるようになるのだ。まだ奨学金の返済などがあって投資に20%を割くのが難しいという人もいるだろう。その場合も、最低10%を目指そうと著者は提唱している。大事なのは「投資する」という自覚を持ち、未来に備えておくことなのだ。

「守る力」は保険や年金、「増やす力」は投資信託の真実! あおられすぎにはご注意を

 ユーチューバーでありながら、著者はインターネットの情報は「極端な意見」ばかりが目立つから注意が必要、とはっきり言い切っている

 インターネットの仕組みは正しい情報より、「よく見られる情報」が注目を集めるようになっているので、インターネットの情報は年々極端な意見が多くなっているのです。

 保険の仕組みや、年金制度、投資信託、インターネットで調べればすぐに答え(のようなもの)は出てくるが、それが正しいかどうかはわからない。あおられすぎには注意して、大切なのは自分のアタマで考えることだ。本に出てくる保険や年金の「真実」はあくまで客観的なデータや仕組みを中心に据えている。リスクやメリットをわかりやすく噛み砕いて説明してくれているので、初心者でも理解しやすい。

人生が長くなるなら長く働くという選択肢がある

 年金だけでは心もとないのは、実は前々から言われていたこと。そして我々には「長く働く」という新たな選択肢も現れてきた。60歳で定年して、85歳で天寿を迎えるとして、25年。0歳児が社会人になるまでと同じくらいの期間、「老人」なのだ。投資というとつい株や債券を考えがちだが、本を読んだり、資格を取ったりといった自分への投資も重要なのだ。

 将来を助けられるのは今である。ぜひ、本書を読んで、自分のアタマで考えて行動してみてほしい。

文=宇野なおみ

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