本業だけでは行き詰まる!? 猫が教えてくれる、リスク分散のための副業ノウハウ

ビジネス

公開日:2021/6/8

日本一カンタンな「副業」と「お金」の教科書
『日本一カンタンな「副業」と「お金」の教科書』(竹内謙礼/クロスメディア・パブリッシング)

「年金2000万問題」そしてコロナ禍で、私たちの働き方は大きく変化している。テレワークは一気に広がり、副業を解禁した会社も増えた。副業にはかつて会社に後ろめたい気持ちで行うイメージもあったが、今はむしろ、最先端の働き方とも呼べる。

 しかし副業ってどうすれば良いのだろうか。迷い悩む方に『日本一カンタンな「副業」と「お金」の教科書』(竹内謙礼/クロスメディア・パブリッシング)は大きな助けになってくれるはずだ。経営コンサルタントとして長年、副業の指導に関わってきた著者が、「印刷会社に勤務するサラリーマン」に猫が副業についてアドバイスする、文字通り猫の手を借りたストーリー仕立てで副業についてわかりやすく教えてくれる。

「副業をしないリスク」について――今と今後、日本を取り巻く状況

 かつて、終身雇用制の正社員こそ、安定と安寧を手に入れられる最善の雇用形態とされていた。しかしすべてが激変した今、本業だけを仕事にすることが逆にリスクとなり得る時代に我々は生きている。「今は正社員だし、そうはいっても定年までは安心」と思うかもしれない。だが、著者によると「本業だけでは行き詰まる」可能性は十分にあるのだそうだ。

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行き詰まり1 給料が増えない
行き詰まり2 コロナの影響で倒産件数が増加
行き詰まり3 早期退職が増えている
行き詰まり4 役職定年で会社に居場所がなくなる

 そんな脅されても困ると思うかもしれないが、だからこそ本書は副業を勧めている。本業を柱としながら、副業でも収入を確保しておく。「行き詰まり」のリスクを軽減できる道となりうるのが副業なのだ。

本業を活かす? 趣味を活かす? 副業の6つの型と始め方

 副業の型を、著者は大きく6つの型に分類している。本業のスキルを活かした副業、趣味を活かした副業、株式や投資での副業……作中には6つの型で副業を行っているゴリラやサルが登場し、一体彼らがどうやって稼いでいるか、猫のバーテンダーがレクチャーする。

 本書の後半では(サルやゴリラではなく)実際に副業で成功した人が登場するので、おとぎ話ではないようだ。例えば、個人がセミナーを行えるサイト「ストアカ」を通じて、人気講師となった人。本業のビジネスで使うスキルを活かした形で成功をつかんだそうだ。まず自分が何を持っているか。時間や費用、スキルや、リターン、それからリスクを考慮して、総合的に見てやれそうなものを選ぶことがポイントだ。

失敗しても、「しょせん副業」「たかが副業」の考え方

 なんだか自分にもやれそうな気がしてくるが、本書は詐欺に巻き込まれる、うまくいかないケースなど、副業の危険性も指摘する。

 副業にはまだ、ルールがほぼない。誰しも手探りで始めるため、ほとんどの人は失敗するそうだ。一気に尻込みしてしまうが、ビジネス、お金儲けはおおむねそんなものだから、と著者は背中を押し続ける。

「しょせん副業」、「たかが副業」ぐらいに思って、肩の力を抜いて副業を始めることをおすすめします。

 確かに「これで食べていく!」と本業をいきなり辞めない限り、副業で多少失敗しても路頭に迷うわけではない。元手をほとんどかけず始められる副業も多い。コロナ禍で浮いた飲み代ぶんを使う、くらいの気持ちで気軽にチャレンジしてみるのもアリなのかもしれない。

文=宇野なおみ

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