セックスが先? 付き合うのが先? Twitterでバズりまくりの恋愛戦略『恋愛の方程式って東大入試よりムズい』

恋愛・結婚

公開日:2021/9/2

恋愛の方程式って東大入試よりムズい
『恋愛の方程式って東大入試よりムズい』(ジェラシーくるみ/主婦の友社)

 恋愛というのはいくつになっても、いっこうに正解がわからない。「わからないからこそ楽しい」と思えたのは20歳くらいまでで、そこから先は恋愛にまつわる悩みに苦しみ、沼にはまり続けている。

 そんなときに出会ったのが、東大卒・恋愛ライターという、一見すると意外に映るような肩書きを持つジェラシーくるみさんの著書『恋愛の方程式って東大入試よりムズい』(主婦の友社)だ。

 わかる! 刺さる! と世の女子たちの共感を呼び、切れ味の鋭いツイートが話題の著者も、かつては恋愛で沼にはまっていたという。そんな著者が、自身の体験や周りの人々への分析を通して、「出会い」「失恋」「セフレ」「復縁」「不倫」「結婚」など恋愛におけるさまざまな問題に対する解答案を集めたのが、本書の特長だ。

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 感情的に語られてしまいがちな恋愛の問題を理論化して、図解入りでわかりやすく解説してくれるあたり、さすが東大卒の夜遊び職人というプロフィールに思わず納得。

 ここからは、私が思わずスマホのメモに書き留めた、著者の恋愛戦略をいくつか紹介しようと思う。

勘で恋愛してませんか? 出会いの数は戦略次第

 恋愛の悩みの上位にランクインしてくる「出会いがない」問題。最近は、気軽に合コンや飲み会などのイベントに足を運べなくなり、そもそもの「出会い」がなくなってしまったという人も多いよう。マッチングアプリを始めたという人も、「マッチングできない」「好みの相手が見つからない」と悩みは尽きない。ただ、そこにある本質的な問題は、「出会い自体がない」ということではなく、「イイ相手に出会わない」「出会っても発展しない」ということだ。

 著者は、良質な出会いの数の増やし方について下記のような方程式を提案している。「私はそれなりに努力してるのに!」と憤慨する人も、ぜひ一度読んでみてほしい。

恋愛の方程式って東大入試よりムズい

 ①行動範囲×場数は、出会いの母数を広げるということ。母数はただ広げるだけでなく、“質”を意識することが大切なのだそう。紹介の確度とスピードを上げる方法も本書に書かれていたので、チェックしてみてほしい。

 そして、出会いの母数を増やすだけでは、恋人候補に出会ったことにはならない。ここで重要なのが、「私、あなたに興味があります」とアピールする②積極性だ。著者はこれを「好意の種まき」と呼ぶ。

 成熟した男性ほど、初対面の女性に下心を見せることに抵抗があるというのは、まさに「教科書には書いていない真実」だ。男性はよほどタイプの女性でない限り、自分からデートに誘うことはないが、下記のOKゾーンの相手であれば「女性側から」誘われたらご飯に行くケースが非常に多いと著者は解説する。

恋愛の方程式って東大入試よりムズい

 図の「どタイプ」はもちろんのこと、「普通に可愛い子」「普通」ゾーンの女性からであっても、男性は「まあいいか」と一度は誘いに応じるそう。男性は女性に比べて、「女性からサシで食事に誘われる」経験が少ないと思われるため、女性からのお誘いのLINEをする時点で強烈に印象づけることができ、恋愛対象圏内に入ることができる。

 こうして、質の良い恋人候補に出会ったら、③譲れない独自の基準でスクリーニング(足切り)をしていく。「優しい」「清潔感がある」なんて一般的で無難なものではなく、自分の本音と向き合って2、3個は言語化することが重要だと著者は語る。

 出会いが実らない人は、特に「好意の種まき」ができていないのかもしれない。でもやっぱり、自分から誘うのは恥ずかしい……という人には、著者のこの言葉が刺さるはず。

生傷と恥は恋する乙女の勲章。恥をかく覚悟もなしに恋しようだなんて、空港に売ってるヌガー入りのチョコバーくらい甘いんだよ~!

交際前の挿入か、挿入前の交際か

 長年解決されないこの「セックスが先か、付き合うのが先か」問題についても著者はついに解決案を打ち出してくれた。たとえば、ワンナイトの相手だったり、友だちだったり、気になる人だったり。誘われたとき、さあどうする! と悩んだら著者のこのセックス理論を思い出してほしい。

 セックスは、ふたりにとってのすごく明瞭な“頂点”であり、知りたい、触れたい、確かめたい、という恋の初期衝動を一瞬で満たしてしまうもの。世の中には、「セックス=ゴール」と考え、付き合う前にセックスしてしまった日には、もう興味がなくなったとのたまう男がいる。

 闇深いこの問題に対する著者の答えは、下記の通りだ。

こちらが本命と感じていない、つまり期待も見返りも持ち得ない相手なら体を許してもいい。もしくは今さらセックスのひとつやふたつで変わるような仲ではないと断言できるなら、挿入くらいしてみてもいいでしょう。
真の問いは、「セックスをしたら付き合えなくなるか」ではなく、「セックス後に疎遠になっても諦めのつく相手か」であるべき。

 この解答案には目から鱗という方も多いのではないだろうか? そしてこの章の最後には、相手の心の中に残り続けるための「悪魔の裏技」も紹介されていたので、交際前の挿入を迷った暁にはぜひ実践してみてほしい。

 ぶっちゃけた本音を綴りつつ、理論的にお悩みをぶった斬る。恋愛の沼にはまったオンナたちの背中を押してくれる、著者のユーモアと愛のある喝は、読んでいて気持ちがいい。読み進めてくたびに、うじうじ悩むよりしたたかに生きたいと前向きな気持ちになれる1冊だ。

 恋愛は、感性と戦略の総合格闘技。

 本書には、このように実践できる恋愛の方程式とともに、女としての人生のサバイブ方法も豊富にちりばめられている。恋愛に沼って苦しんでいるという人だけでなく、女として生きることにモヤモヤしている、女をこじらせているという人にも、手にとってもらいたい。

文=三色団子

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