正論をぶつけるだけじゃダメ! 上司や取引先と合意を作り、「気持ちよく動かす」コツとは?

ビジネス

公開日:2021/9/30

気持ちよく人を動かす

著:
出版社:
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
発売日:
気持ちよく人を動かす
『気持ちよく人を動かす』(高橋浩一/クロスメディア・パブリッシング)

 仕事はひとりではできない。営業職なら取引先と合意をとりつけ、その相手が社内で動いてもらわなければ契約は結べない。企画職なら上司に企画内容の承認をもらい、他のメンバーに仕事を依頼しなければ完成しない。だれかと仕事をするときに大事なのは、相手と合意し、気持ちよく動いてもらうこと。いくら正論で説き伏せようとしても、気持ちがついていかなければ相手は動かない。

 どうすれば、人に気持ちよく動いてもらえるか……。どんな立場で仕事をしていても、一度はぶつかる悩みではないだろうか。筆者も、企画に対する合意をプロジェクトチームや上司と作り上げるときには苦労する。理屈を積み上げて「これをやりたい」と伝えるだけでは響かず、OKが出ても後からひっくり返されてしまったり、ほかのメンバーが思うように動いてくれなかったりすることもあった。

 本書『気持ちよく人を動かす』(高橋浩一/クロスメディア・パブリッシング)は、コンペで8年間無敗の経験を持ち、現在はTORiX株式会社で営業強化支援に携わる高橋浩一さんの最新刊。『無敗営業』(日経BP)シリーズでは、膨大な事例の分析から説得力のある理論を打ち出し、多くのビジネスマンから支持を集めている。本書では、営業でもポイントになる“人を動かす”力を、より幅広い職種で役立つスキルとして公開。上司や社内の承認を得る際や、メンバーの指導、お客様への提案などさまざまな場面で役に立つはずだ。

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「絶対にこれをやるべきだ」は相手に響かない

 本書によれば、理論武装を固め、分厚い資料で「絶対にこれをやるべきだ」と主張するのはよくある失敗パターン。正論だけでは相手の共感が得られず、その気にさせるのがむずかしいという。本書のテーマは「共に創る」こと。強力なロジックで相手を説得するのではなく、早い段階で相手を巻き込んで作り上げるのがポイントだ。疑問や反論を取り入れることでよりよい結論が導き出せるし、何より一緒に考えることで相手の納得感と熱量が増していく。

相手を巻き込むためにはどうすればいい?

 では、どうすれば相手をうまく巻き込めるのだろう。重要なのは、一方的にプレゼンをして「ジャッジされる」構図にするのではなく、双方向のコミュニケーションによって「共に創る」こと。本書で紹介されているテクニックをひとつ紹介しよう。

 商談や承認の場では、自分が発言し続けず、適切なタイミングで相手にボールを渡そう。開始数分で議論の前提となる情報を提供した後は、相手から状況や課題感について話してもらう。これをホワイトボードなどで整理していき、中間地点で簡単な「まとめ」を行う。そして、後半では「まとめ」をもとにポイントを絞った議論を行うと、納得感のあるアウトプットを出しやすいそうだ。かなりざっくりとした説明なので、詳しく知りたい方は本書の第4章「段取りする力」を参照してほしい。

 本書では、こうした「共に創る」ためのコミュニケーション術が詳細に語られている。効果的な情報提供のタイミングや、相手を深く知るためのアクティブ・リスニング、議論を整理するためのビジュアル化など、どれも明日から現場で使えるものばかりだ。せっかくのいい提案や企画も、人が動かなければ実現しない。やりたい気持ちがあるのなら、それを生かすための技術を身に着けよう。

文=中川凌 (@ryo_nakagawa_7

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