親子で本好きになるためには「読書を擬人化」すること!? 秋に読書が面白くなる「ゲーム化」のススメ

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公開日:2021/10/12

読書する家族のつくりかた
『読書する家族のつくりかた 親子で本好きになる25のゲームメソッド(星海社新書)』(印南敦史:著、, スージー甘金:イラスト/星海社)

 スマホなら何時間でも触っていられるのに、読書となると読み始めるのもツライ…。子どもでも大人でも、読書が苦手という人はいるだろう。

『読書する家族のつくりかた 親子で本好きになる25のゲームメソッド(星海社新書)』(印南敦史:著、, スージー甘金:イラスト/星海社)では、作家であり「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」などで書評家としても活躍する著者が、「読書を楽しむ家庭のつくりかた」のメソッドを紹介している。

 そのメソッドとは、「読書にまつわるもろもろのことをゲーム化する」こと。本書は25のゲームを紹介しているが、いわく、いずれも「無理のありすぎるゲーム」であるため、家族が読書をするために本気になって取り組む、というのではなく、「バカバカしいなあ」と思いながらゲームを楽しんでもらいたい、と述べている。

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 本書によれば、まず「本を読めない自分」を親子で認め合うことが大切だという。「興味があっても読む気になれない」「読んでみたけど、なかなか進まない」「懸命に読むのに、内容が頭に入ってこない」など、数ある読書の悩みは大人も子どもも共通のもの。これを肯定したうえで、著者は紹介する数々のゲームのウォーミングアップとして、1つめの読書ゲームを提示している。

 それは、「読書の悪口ゲーム」。家族で「読書」を悪者に仕立て上げ、自分を苦しめる読書の弊害、ストレスなどを吐き出し合う、というもの。ゲームの流れは、次のようになる。

1:家族でテーブルを囲み、ジャンケンで順番を決める
2:ひとりずつ順番に、「“読書”の悪口」を吐き出す
3:書記を決め、記録をとっておく(録音も可)
4:最終的には、いちばんひどい悪口をいえた人が勝ち(優先的にアイスクリームを食べられるなどの“賞品”も用意)

 悪口は、「読む気はあるのに、いざ読もうとすると、その気にさせないんだよねー、あいつは。本当に迷惑」などと、読書を擬人化して、できるだけ具体的に吐き出すといい。

 こうして、ネガティブな思いを家族の前で吐き出すことで気持ちがスッキリする。それだけでなく、「これからどうするべきか」のヒントも見えてくるという。例えば、先の「その気にさせない」ことが課題であれば、その気にさせる策として音楽を流す、お茶を用意する、家族でテーブルを囲んで読書する時間を設ける、などが考えられる。このゲームをすることで、結局は、読書ができるようになる、と著者は記している。

 このゲームの他にも、読書掲示板をつくる、挫折した本の墓場をつくり、Zoomで家族読書会を開く、など「バカバカしく」も「親子で本好きになれる」ゲームが24も紹介されている。読書の秋に、まず本書を読むことで、心から秋を楽しめそうだ。

文=ルートつつみ (@root223

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