ツヤがない、白髪が目立ってきた……髪に悩める女性が知りたい、本当に使える293のアドバイス

健康・美容

公開日:2022/3/4

髪のこと、これで、ぜんぶ。
『髪のこと、これで、ぜんぶ。』(佐藤友美/かんき出版)

 流行りのカラーやヘアスタイルにしていればなんとなくさまになっていたあの頃から、年齢を重ねて髪型に悩むようになったという女性は多いのではないだろうか。仕事や家事・育児が忙しくて、髪の量が減った、白髪が目立ってきたなんていうトラブルに目をつぶり、ヘアケアが後回しになっている人もいるだろう。そんな、髪に悩み始める年代の女性に必携の1冊が、本書『髪のこと、これで、ぜんぶ。』(佐藤友美/かんき出版)だ。

 著者は、20代でファッション誌のヘアページを手がけるライターになって以来、20年以上にわたり髪のプロに取材してきた「日本初のヘアライター」こと佐藤友美氏。『ヒルナンデス』や『あさイチ』などのテレビ番組でのわかりやすい解説ぶりでも知られる著者は、雑誌のヘア特集などのコンテンツ制作やヘアアドバイザーとしての活動を通して、髪に関する有益な情報を発信している。本書は、女性が知っていると得する髪の知識や、今の習慣から置き換えるだけでできる髪にいいことなど、コストや手間の面でも実用的な293のアドバイスを収めた1冊だ。

髪のこと、これで、ぜんぶ。P50~51
(C)coccory

 その内容は、気になる「自分に似合う髪型選び」や「失敗しない美容室での振る舞い」から、髪の洗い方や乾かし方などのヘアケアの基本、そして、少しの工夫でおしゃれになれる毎日のスタイリングのコツや、加齢に応じたヘアケア方法まで、女性の髪に関するトピックを網羅している。「どんな自分になりたいか」というイメージに応じた髪型の決め方や、美容師に希望を的確に伝える方法はわかりやすく、髪型に迷える子羊を救う情報が豊富だ。

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髪のこと、これで、ぜんぶ。P63

 毎日使うシャンプーやコンディショナーに関する情報だけでも、意外で役立つアドバイスが多い。シャンプーによく書かれているが意外と知らない「しっとりorツヤツヤ」と「さらさらorふんわり」の違い。シャンプーとトリートメントは同じラインでなくてもOK。実はシャンプーのほうが値段によって成分に差があるから、こだわるならトリートメントより断然シャンプー、などなど。シリコンは髪にいいのか、悪いのか問題など、髪を気にする人なら一度は検索したことのありそうな事柄について理解できるため、この1冊さえあれば、髪に関してネットを無駄にさまよう必要はなさそうだ。

 著者自身、溢れる情報の中から必要なものを選びにくいという問題意識から、髪に関することをまとめて読める1冊を作りたかったと語る。その言葉のとおり、さまざまなトピックがそれぞれ端的にまとめられているのが本書の魅力だ。目次から気になることだけ探して読むのも良い。美容師などの髪の専門家ではなく、45歳のひとりの女性であり、そして「伝える」ことのプロであるライターだからこそ、髪に悩む普通の人が本当に知りたいことを、効率よく伝えてくれる1冊だ。

髪のこと、これで、ぜんぶ。P151

 情報を客観的に届ける一方で、著者は、髪型を変えることで気持ちが変わった知人や、髪が困難な状況にいる人の心も引っ張ってくれたエピソードを通して、髪が見た目の美しさだけでなく内面にも影響を与えることを伝える。女らしさなどの固定観念に縛られずに髪型を選ぶことは心を解放することになるといった著者のアドバイスを読んで、周りの目が気になって髪型を変えられない人にとっては、コロナ禍は変化のチャンスかもしれないと感じた。家にいる時間が増えた人は、この本で紹介されているようなスペシャルなトリートメントや、ヘアアレンジに挑戦するのもいいだろう。髪をきっかけに、新しい自分と出会える可能性に、ワクワクできる1冊だ。

文=川辺美希

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