生きづらさと向き合う文筆家・佐々木ののかさん。本を愛し、本に救われてきた彼女は、これまでにどんな作品と出会ってきたのだろうか。哀しみに暮れた午前2時、寂しさを覚えたベッドのなか、怒りに震えた駅のホーム――。人生の節目節目で、彼女が「読書」に救われた体験を日記形式で綴ります。
2021年3月某日 ここ1年ほど、介護に関するインタビュー連載をしている。知識もないままにご依頼を受けてから少しずつ勉強をしているけれど、介護に関する問題から目を逸ら…
文芸・カルチャー
2021/4/5
2020年5月某日 こんなにも負担を感じていたのか。 誰かの不在で、その存在の大きさを知るように、当たり前のように傍らにあった苦痛の大きさと堆積の厚みに愕然とさせられ…
文芸・カルチャー
2020/11/9
2020年11月某日 好きな人を殺して食べたい。 そんな欲望を胸に秘めて生きてきた。 どうしてそう思うのかと聞かれても、わからない。 怖がられたり気味悪がられたりするこ…
文芸・カルチャー
2020/11/24
2019年12月某日 目を覚ます。外が白んでいるからどうやら朝だ。目だけで辺りをおそるおそる見渡す。私はどうやら生きていて、私はギリギリ「私」であるようだということに…
文芸・カルチャー
2020/12/14
2020年12月某日 何もかもが嫌になって、焼き鳥屋ののれんをくぐった。 猫の体調不良、引越し後に行った動物病院と反りが合わないこと、嵩む通院費と時間、急遽飛んだ数万…
文芸・カルチャー
2020/12/29
2020年11月某日 “彼ら”の存在に気付き始めたのは、大学生のときだった。 最初はガラス越しに景色を見ているような気分になるだけだったけれど、そのうちに私の身体を使っ…
文芸・カルチャー
2021/1/12
2021年1月某日 唐突なようだけれど、私は過剰な人間だ。 たとえば、情念が過剰である。好きになった人への“愛情”が過剰ゆえに破滅に向かってしまう。人をひとたび恨むと何…
文芸・カルチャー
2021/1/25
2021年1月某日 逃げてきたんだ。 実家に到着し、リュックに入れて背負ってきた猫を部屋に放った瞬間にそう思った。寂しかったことに気づくのは寂しくなくなったときだとよ…
文芸・カルチャー
2021/2/8
2021年2月某日 つい最近まで「子ども」「高齢者」「動物」が苦手だった。 怖かったのだ。 子どもやお年寄り、動物が苦手だと言うと、冷たい人だと思われそうだ。彼らに相…
文芸・カルチャー
2021/3/1
母というものが怖かった。 実母ではなく、母なるものが怖かった。 私は母に、あるいは母なるものになりたくはない。 言葉を選ばずに言えば、嫌悪感すらある。 母なるもの…
文芸・カルチャー
2021/3/22
2021年3月某日 ここ1年ほど、介護に関するインタビュー連載をしている。知識もないままにご依頼を受けてから少しずつ勉強をしているけれど、介護に関する問題から目を逸ら…
文芸・カルチャー
2021/4/5
1
2
3
4
5
人気記事をもっとみる
片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~ 7 (ヤングチャンピオン・コミックス)
シャングリラ・フロンティア(22) ~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~ (週刊少年マガジンコミックス)
葬送のフリーレン(14) (少年サンデーコミックス)