コルク代表・佐渡島庸平「この本にひとめ惚れ」

公開日:2017/4/11

 『ダ・ヴィンチ』本誌の人気連載コーナー「この本にひとめ惚れ」から、コルク代表・佐渡島さんのひとめ惚れ本を紹介。『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』といった大ヒット作品を世に出した天才編集者・経営者が“ひとめぼれ”した本をチェック!

 

『約束』
イジー・クラトフヴィル/著 阿部賢一/訳
河出書房新社 2600円(税別)
装丁(日本語版):川名 潤(prigraphics)
装画(日本語版):齋藤州一
編集:松尾亜紀子

 大好きな作家のひとり、ミラン・クンデラの推薦帯が! 彼をして、「最大の事件」と言わしめた作品は、もう読むしかないだろう。「過去に罪を犯した人間が、その後どう生きていくのか」というテーマも、惹かれるものがある。

 

『10年後、君に仕事はあるのか? 未来を生きるための「雇われる力」』
藤原和博/著
ダイヤモンド社 1400円(税別)
装丁:井上新八
編集:木下翔陽

 定点観測的に追っかけている藤原和博さんの新刊。「100万人に一人の存在」になるため、どう時間を使うべきか書かれている。まず100人に1人になるべしという藤原さんの主張と、これまで自分が辿ってきたキャリアに重なるところが……。

 

『MONKEY vol.11 SPRING 2017』
スイッチ・パブリッシング 1200円(税別)
装丁:宮古美智代
装画:James McNew
責任編集:柴田元幸

 特集「ともだちがいない」。「友達がいないんですよ」という人は、自分のまわりにも少なくない。彼らは「ともだち」の基準値がとても高いのだろうか? などと思って開いたら、ブコウスキーが。確かにブコウスキーは「友達がいない」と思っていそうだなぁ。

 

【青山ブックセンターにて彷書】

 

<プロフィール>
佐渡島 庸平(さどしま・ようへい)●1979年生まれ。南アフリカで中学時代を過ごし、灘高校、東京大学を卒業。2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社、コルクを設立。現在、漫画作品では『オチビサン』『鼻下長紳士回顧録』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『テンプリズム』(曽田正人)、『インベスターZ』(三田紀房)、『昼間のパパは光ってる』(羽賀翔一)、小説作品では『マチネの終わりに』(平野啓一郎)の編集に携わっている。
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photo=首藤幹夫