第47回 アンパンマンが本当に凄い件/瀧上伸一郎(流れ星)連載
公開日:2019/1/15
以前このコラムでも書きましたが、僕ら流れ星はショッピングモール等のイベントを大事にしています。
イベントのお客さんは老若男女集まります。
なので全世代笑わすネタをやらないといけません。
特に子どもにウケるのは本当に大事になります。
子どもにウケないと、
「パパ!ママ! つまんないから帰ろうよー!」
と言って子ども一人帰ろうとすると大人二人も帰る事になります。
合計3人です。
おじいちゃんおばあちゃんも来ていると合計5人のお客さんが減る事になるんです。
逆に子ども一人が
「面白そう! パパ!ママ! 見ていこうよ!」
と言うことによってお客さんが3~5人増える事になるんです。
これはデカイです。
子どもが
「ねー!ねー! 流れ星瀧上の“肘神様が生まれた街”買ってよー!」
と言ったらパパかママか両方のおじいちゃんおばあちゃん、誰かが買ってくれます(多分)。
これを専門用語で
“シックスポケット”
と言います。
子ども一人に対して、父、母、両祖父母合わせて“6つの財布”が動くという意味です。
そして日本中のシックスポケットを握っているのが、
アンパンマンです。
アンパンマンの子ども人気って本当に凄いんです。
僕の2歳の娘も今アンパンマンに激ハマり中です。
アンパンマンのリュックにアンパンマンのキャラクターのフィギュアを10体位入れて常に持ち歩いています。
起きてすぐアンパンマンのオモチャで遊び、寝るときは枕元にアンパンマンのリュックを置いて眠りにつきます。
寝言も
「アンパンマン!」
です。
アンパンマン大好きです。
というかもう中毒レベルです。
起きてから寝るまで全てアンパンマンに支配されています。
アンパンマンのリュックを忘れて号泣している娘を見ると、こんなに悲しむくらいなら彼(アンパンマン)に出会わなければよかったのかなと、ELTの曲みたいな事を思ったりします。
普段はなかなか飲まない麦茶もアンパンマンの水筒に入れると、まるで砂漠で3日間さ迷っていたのかと思う程ゴクゴク飲みます。
そして横浜にアンパンマン関連のありとあらゆる娯楽を詰め込んだ「横浜アンパンマンこどもミュージアム&モール」という恐ろしい施設があります。
ここに入ったが最後、子ども達は力果てるまで出てきません。
さらに恐ろしいのが入場料金です。
子どもの入場料は1500円。
何が凄いってちゃんと1歳から料金は払わないといけないんです。
どの施設でも3歳以下は無料になるのが当たり前の中で物凄い強気の値段設定です。
あのディズニーランドが3歳以下は無料な事を考えるとアンパンマンこどもミュージアムの値段設定の強気さが解ると思います。
これはアンパンマンサイドがケチだ!と言っているのでは無く、
“1歳からちゃんと楽しめる”
というアンパンマンの魅力が凄いという話です。
それじゃあ大人の入場料はいくらなのかと言いますと、
1500円です。
子どもと同じ料金です。
ちなみに子どもは物凄く楽しめる施設ですが、大人向けのアンパンマンの乗り物があるとかは無いです。
傾斜角度80度! ほぼ直角の体感で最高速度110キロの猛スピードで一気に駆け抜ける! アンパンマンサイクロン! とかは一切ありません。
基本は子どもが楽しそうにしているのをニコニコ見守る感じになります。
2歳の娘に向かって
「俺は行かないから行ってきなよ!」
と言える訳もありません。
要するに子どもが一人入場すると必然的に大人は絶対に入場しないといけないのを上手く利用した入場料金設定になっています。
これはアンパンマンサイドがケチだ!という話では無く、
理想的な“シックスポケット”の使い方をしていて感心した。
という話です。
本当です。
そしてアンパンマンの何が凄いって最終回がありません。
ずっと続いています。
子ども達が大きくなってアンパンマンを卒業してもまた次の子ども達がアンパンマンを好きになります。
人気の永久機関です。
よくインタビューでライバルの芸人さんは誰ですか?
と聞かれるんですが、その時は、
「アンパンマンです!」
と答えるようにしています。
ボケっぽく言ってるので本気にされないんですけど、僕らは本気でアンパンマンをライバル視しています。
ライバルというか理想です。
いつか“流れ星ミュージアム”を作りたいと考えています。笑
バタコさんですら娘のこの食い付きです。
アンパンマンへの食い付きは更にヤバいです。
でも娘が一番好きなのは、“かつぶしまん”です。