家事育児を「手伝う」という言葉がここまで過剰に反応されるのは、普段してこなかった積み重ねでのんきに聞こえてしまうから/『主婦をサラリーマンにたとえたら』③

暮らし

2020/1/21

子育てを部下に置き換えてみたら…想像をはるかに超えるヤバさだった!! 元サラリーマン主夫が家事・育児の大変さを「もしこんな部下(子ども)が会社にいたら?」のマンガとともにリアルに語りつくします!

『主婦をサラリーマンにたとえたら想像以上にヤバくなった件』(河内瞬/主婦の友社)

仕事で忙しいときに職場にこんなのんきな人がいたら……

 ネット上では家事育児について日々いろいろな意見が飛び交っているけれど、どうも家事育児を「手伝う」発言は炎上しやすいように思う。

●「手伝う」なんて消極的だからダメ。自分の子どもでしょう
●当事者意識を持ってほしい
●その発言が出る時点でダメ

 ……など。この「手伝う」発言に怒りを感じる人が多いようなので、なぜこれほどまでにこの発言が怒りを買うのかを考えてみた。その原因はおそらく、言っている本人が普段、家事育児をしてこなかったことの積み重ねが背景にあるからだろう。

 

 シュフが本当に手伝うことを求めているとき、それはやることが複数あるマルチタスク状態のときだ。子どもの面倒だけ、料理の準備だけなら自分のペースでできるし、一人でも可能。家事育児は料理をしている最中に子どもが泣き出すマルチタスク状態が発生することが多々あり、このときに精神がガリガリと削られていく。

 大人が2人いたら簡単なことなのに……。そう考えたことがあるシュフはかなり多いだろう。こういうときにサッと子どもの相手をしてくれたら、それだけで十分なのだ。そういう猫の手も借りたいようなときに見向きもせず(または気づかず)すべてが終わってから「やることないから手伝うか」というふうにこられても、「もういいよ……」となってしまう。

 

シュフが求めているのは家事育児への当事者意識

 仕事に置き換えて想像してみてほしい。働く側にとって家はリラックスする空間であるが、シュフにとっては家こそが戦場だ。職場でバタバタしているときにテレビを見ている人間がいたら、「何やっているんだ」「今すぐ仕事をしてくれ」と思うだろう。シュフが戦場で求めるものも「参加する」という積極的なスタンスなのだ。

 働く側は仕事がメインなのはシュフもわかっている。シュフ並みに家事育児をすることを求めているシュフはそんなにいないはずだ。シュフが働く側に求めるのは、家事育児に対して「当事者意識」を持ってほしいということだけ。当事者意識があれば、ご飯を食べ終わった後の食器洗いをする、もしくはシュフが食器洗いをしている間に子どもの相手をするとか、シュフのマルチタスクを解消するような行動は考えればいろいろとある。

「やることがなくなったから何か手伝うか」ではなく、働く側も主体的に家事育児に参加して、休むときはぜひ夫婦二人で休んでほしい。

 

主夫になって驚いた休日の短さ。朝の家事を終えたらもう昼食で……、シュフの休日はそうでない人の休日の半分しかなかった

 主夫になって驚いた「休日の短さ」について。

 いや、これ本当に驚いたんだけど、休日に子どもがいる状態で家事をしていると時間が驚くほどの早さで過ぎていく。

 1時間なんて本当にあっという間。

 これを大げさだと思う働く側の人は、ぜひ休日のシュフの動きを観察してみてほしい。たぶん常に動いているはずだ。朝起きて朝食の用意をし、天気がいいからいつもの洗濯物に加えてシーツも洗濯して、風呂とトイレ掃除もして、掃除機をかけたらもう昼前。家族に昼食を用意して片づけたらあっという間に正午をまわっている。シュフの休日って、シュフじゃない人の半分しかないんです……。自動調理鍋の「ホットクック」や食洗機などの便利家電があるからまだマシだけど、なかったら午前のタスクを終わらせるのは、いったいいつになるんだろう……。

 

シュフにとっての休日がどんなものか詳しく説明しよう

 一人暮らし時代、そして家事育児に当事者意識の薄かったサラリーマン時代はこんなに休日を短いと感じることはなかったと思う。

 それが今ではまさに「あっ…」という間なのだ。午前の短さはもはや異常である。朝起きて洗濯機を回す。子どもたちは金曜日に学校から体操着などの洗い物を持ち帰ることも多いから、土曜日は必然的に洗濯物が増える。朝食の片づけをしつつ、奥さんが子どもの相手をしてくれている間に風呂やトイレを掃除。洗濯機が止まったら干して、家じゅう掃除機をかけて……。そうこうしているうちに気づけば昼前だ。

 

 ここで気をつけなければならないのが、「子どもがおなかをすかせる前に昼食の準備に取りかからなければならない」ということ。子どもたちがおなかすいたと騒ぎ出してから準備を始めたのでは、文句を言われながらの家事になるのでストレスの度合いが違う。だから、バタバタしながらすぐに昼食の準備に取りかかる。そして昼食を出して片づけて、気づけば13時。

 休日はもう半分が終わっている。

 一人暮らしのときなんて、そもそも午前中に家事をしたことがなかった。家族や子どもがいなければすべて自分のペースで動けるから、いつまで寝ていようが関係ないのだから。

 これがシュフの休日の現実なのです。

 仮にこれらをすべて放り出して家事をしないでダラダラしても、そのしわ寄せは後々の自分に返ってくるだけ。また天気がいい日は掃除日和なのでじっとしていられない……。布団を干したい。部屋の空気を入れ替えたい。普段洗わないものを洗濯したい。などしていると、あっという間に残りの半日も家事で終わっていく。一人暮らしで家事自体も少ない状態とはすべてが違う。

 

 食事は用意しなければ出てこない。皿は片付けなければ食器棚に戻ることはない。洗濯物も洗濯機に入れるだけでなく、干さなければどんどんたまっていくし、掃除しなければ家はどんどんほこりっぽくなる。これらの家事は仕事と違い、人間が生活している限り必ず発生するため、誰かがやらなければどんどん増え続けるのだ。

 家事育児の主担当になったとき、このインパクトは本当に大きかった。

 仕事は休日になれば休めるが、シュフが休むには家族の誰かがシュフの代わりをする必要があるのだ。

<第4回に続く>