取引先とのやりとりもチャットが便利!話題の“オンライン会議”も手軽にできる/『ビジネスチャット時短革命』⑥

ビジネス

2020/5/16

新型コロナウィルスの影響が拡大する中、在宅勤務を取り入れる動きが広がっています。テレワークやリモートワークの普及により、ビジネスチャット・オンライン会議の導入を進めている企業も急増し、従来のメール中心のコミュニケーションではビジネスが円滑に進まないケースも。新たな時代を生き抜くためのビジネスチャットとオンライン会議を駆使した「新しい働き方」を指南します。

『ビジネスチャット時短革命 ―メールは時間泥棒 ― メールを48.6%減らす働き方』(越川慎司/インプレス)

取引先とのチャットでストレスを解消!

 取引先とのさまざまなやりとりは、とかくストレスを生みやすいものですが、チャットツールを導入することで、取引先とのコミュニケーションとコラボレーションを効率的に行えるようになります。従来のメールでのやりとりだと双方に待ち時間が発生しやすく、スムーズな意思疎通は困難でしたが、プレゼンス(在席状況)がひと目でわかるチャットであれば、相手がオンラインならその場で一気にコミュニケーションを完結させられます。もし仮に文字だけではうまく説明できなかった場合でも、音声チャットやビデオチャットに切り替えることで声で確実に相手に伝えられます。音声/ビデオチャットは相手がスタンバイしていないと成立しませんが、事前にテキストのチャットを交わしていれば相手がオンラインであることがわかっているので、スムーズに音声/ビデオチャットをスタートできます。

 不在の相手にコールしつづけたり、相手の手元にない携帯電話に電話をしたりするのは時間のムダです。取引先とビジネスチャットでやりとりできるようになれば、スマートフォンの留守電に残された「用件があるので電話しました」という無意味なメッセージを聞かされる必要もなくなります(私はこの手の留守電がすごく苦手です)。

チャットツールでチーム作業のミスを防ごう

 もし取引先がすでにSlackやTeamsのライセンスを所有しワークスペースを作っているのなら、そこにゲストとして招待してもらえばすぐにチャットに参加できます。取引先側の設定でゲストアクセスを許可してもらうことで、特定のワークスペースにメンバーとして参加できるようになります。

 さらに図表12-1のように、SlackとTeamsでは1クリックでワークスペースを切り替えられるので、社内で共有する情報が間違えて取引先に送信されてしまうことも避けられます。メールと違っていったん送信したメッセージでも削除できるので、誤送信や誤字といったミスも挽回できます。

Slackのデスクトップアプリでは、参加中のワークスペースのアイコンが画面右上に並ぶ。Ctrl+数字キー(ワークスペースの並び順)でワークスペースを切り替えられる。

Teamsのデスクトップアプリは画面左上でワークスペースを切り替える。「ゲスト」と表示されているのは取引先が管理しているワークスペース。

 ふだんはメール添付で取引先と共有していたファイルも、チャットのほうが断然便利です。チャットでファイルを共有する場合は、GoogleドライブやOneDriveなどのクラウドストレージと併用することをおすすめします。チャットで「ファイルを送ります」とメッセージを送ったあとで、「あ、いけね! あそこは変更しなきゃ」というときでも、クラウド上のファイルを修正するだけで相手に修正済みのデータを共有できます。取引先といっしょに編集作業をするときはさらに便利で、クラウド上のファイルを開いて修正してもらえばいいだけです。修正するごとにいちいちメールに添付して送り合う必要はなくなりますし、メールの本文に修正個所を書き出して相手に修正を依頼する必要もありません。URL(クラウド上の保存場所)さえ共有してしまえば最新バージョンを探す必要もなくなるので、双方に時短メリットがあります。

会議のストレスもツール活用で解消!

 もし皆さんが取引先と定期的にミーティングを行っているのであれば、その一部をオンライン会議にしてみてはいかがでしょうか? 詳しくは第4章で解説しますが、チャットでグループを作ってあればボタンひとつでオンライン会議をスタートできます。事前にチャットでファイルを共有しておけば、会議参加者は各自のパソコンやタブレットで資料を見ながら会議を進めることも可能です。これなら資料を印刷する必要がなく、ペーパーレスにもつながります(会議ごとに大量に印刷する紙代やインク代も馬鹿にできないコストです)。

 さらに私は、会議の「ハイブリッド開催」をクライアント企業に推奨しています。ハイブリッドとは「会議室の参加者」と「リモート参加者」の融合型です。全員がオンラインでの参加ではなく、ある人は会議室で参加し、別の人はリモートで参加するという混合形式の会議です。会議室に集まったメンバーはオンライン会議のようすをスクリーンに表示してスピーカーフォンを使います。「リモートでも会議に参加できる」という選択肢を用意することで、会議のスケジュール調整が容易になり、緊急の会議もすばやく開催できるようになります。弊社のクライアント企業12社で実験したところ、オンラインからのリモート参加をOKにした会議は、集合型会議よりも平均で5.4日も早く開催できることがわかりました。つまり、約1週間も早く会議を済ませられるのです。変化が速い現代のビジネス環境では、先手先手で早めに動けるほうが有利であることは言うまでもありません。

COLUMN 秘書もオンラインで! 「週休三日」はチャットがあってこそ実現できた

 わからないことは自分で調べて習得するより、知っている人に聞くほうが早いですよね? 税務処理は税理士に、病気になったら医者に頼るのといっしょで、ビジネスも専門家に頼ったほうが安心です。たとえば、接待に適したレストランの予約や年末調整の処理、お花の手配、Webサイトの更新などは、知識と経験がある人にお願いしたほうが、自分でやるより断然早く済みます。

 そこで私は、オンラインアシスタントサービス「CASTER BIZ」のオンライン秘書にさまざまな仕事をまかせて時短し、自分にしかできない業務に集中して効果を最大化しています。オンライン秘書とのやりとりはChatworkを使って行うので、その秘書と直接会ったこともありません。オンライン秘書に仕事をまかせる際は、作業マニュアルを作ったり、事前に作業カレンダーを作成したりする必要があるので、その過程で業務の標準化と無駄な業務の発見もできます。自分の業務を立ち止まって考える機会にもなりました。

 令和AI時代に生き残れるのは、必要なことだけをする人材です。定型業務はAIや優秀なアシスタントにまかせて、人はゼロから新たなものを生み出す創造力、新しいことや困難への適応力(レジリエンス)、新しいことを受け入れる柔軟性といった要素を身に付けていかないといけないのです。自分の将来を考えて、皆さん自身が「やめること」を決めましょう。

 「ありがとう」や「(相手の意見に対して)そうだよね!」とメールで伝えるのは恥ずかしいと思います。しかし一方で、皆さんはプライベートで使っているFacebookやInstagram、Twitterでは気軽に「いいね!」ボタンを押せているはずです。ビジネスチャットでも、このように感情共有のハードルを下げることで、「承認の輪」を簡単に広げられます。「いいね!」ボタンを多く押されたり、「やったね!」という絵文字を付けられたりすれば、社員は気分が良くなり「また発言しよう!」という気になってアイデアが多く出るようになります。

 イノベーションを起こすためには、アイデアの質ではなく量を追求したほうがいいので、このプラスの感情共有による「心理的安全性(=何を言っても良い空気感)」は必要なのです。晴れてビジネスチャットを導入した暁は、やりとりを閲覧するだけでなく、ぜひ積極的に「いいね!」を押してチームの働きがいをアップさせてください。

<第7回に続く>

この記事で紹介した書籍ほか