『週刊ツリメ』「弱い自分とお酒の話」

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公開日:2020/9/25

週刊ツリメ

 お酒を飲んでへまする事が多々ある。例えば年上の方がいる飲みの席で潰れて寝てしまい、目が覚めて起きた時には、お開きする準備をしているとかざらにある。法律で飲めるようになってすぐは、喉が渇いた時みたく、ゴクゴクジュースを飲む感覚でレモンサワーを胃に流し込んでいたのだ。

 1番の失態といえば、トイレの水を飲んだ事かな。その日はグラスを力強く持ち、「今日は解散するまで起きていてやる!」と、強い意思で挑んだ。ところがその気持ちが先走り、普段よりも早いペースでお酒を飲み干してしまったのである。案の定、べろんべろんになってしまい、まともに歩けずに酒臭い息を撒き散らし、どうにか寝まいと目を微かに開けていた。

 きっとその時は砂漠の中にいたのだろう。視界には砂嵐が舞い、体は水を求めていた。途方もない旅だった。足首にダイエット用の重りが付いているみたく、一歩一歩足を踏み出すのがしんどい。もう地べたで寝たいと諦めていたら、湖らしき物が宙に浮かんでいるのを目にした。これはきっと神様の贈り物に違いない。その蜃気楼に向かい、最後の力を振り絞ってダッシュした。思ったより近かったが、手を調理器具のおたまみたいな形にし、水をすくい、勢いよく口に含んだ。すぐにトイレ用水だと分かったが、泥酔していてこれは飲んではいけない水だ、と良いか悪いかの判断も不可能だった。

 24歳になって少しお酒の飲み方を覚えたが、2カ月に1回は亀になっちゃう。しかしツリメの凄い所は飲む席で酒の放流をしないこと。それは自分のキャパシティを熟知しているからだ。偉そうに言ったが、これはとても大切な事だ。過度の飲酒で取り返しのつかない事件を目の前で目撃したこともある。そういう現場を見ると、この人は酔っぱらうと危険な人物だと勝手に脳が認定して、その人の印象をガラッ変えてしまうのだ。

 特に芸能人の方がお酒で事件を起こすと「え! テレビじゃそんな犯罪を犯すようなイメージ全然無かったのに」と世間からの評判は一気に急降下。一般人の人も然り、不安定な精神を落ち着かせる為にお酒を飲むのは、今まで積み上げてきた歴史に傷を深くつけるもったいない行為だと思います。

 僕はストレスが溜まったら、夜中に車を出します。そして車内の中でアップテンポな曲を再生し、腹の底から大声を発して歌い暴れる。自分はお酒が弱い人間で良かったなと思う。

 安心してねとファンに伝えたいが、お酒に手を伸ばしていた時期が少しだけある。何故なのか、良く良く考えると、生きるのに疲れていたのかも知れない。外では天真爛漫に振る舞えるけど、内では悩んで悩んで悩みが絶えない日々。これを楽しいと思える時間もあったが、逆も勿論ある。辛いと捉える時間が長ければ、逃げたいと何かにすがりたくなる。そんな状態の時に頼れる人達がいる自分はとても幸せな人間だ。お酒を飲んで飲まれる前に、弱い自分に飲まれない為に心を開こう。

執筆者プロフィール
ツリメ(byアバンティーズ)
埼玉県出身、年齢は23歳。チャンネル登録者数160万人超の人気グループ「アバンティーズ」のメンバー。
絵心はないがイラストを描くのが趣味で、メンバーからは「画伯」と呼ばれている。
ツイッター:@turime1996
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