見られることが嫌いだった学生時代。“大人男子の清潔感”をつくるお手伝いを始めたワケ/大人男子の「超」清潔感ハック①

暮らし

公開日:2021/1/19

「年齢を理由にあきらめる」のはもう古い。今や男性でもスキンケアをして、肌の手入れをする時代。現役美容師であり、YouTubeチャンネル登録数10万人を超す宮永えいと氏が、アラサーから意識するべき「大人男子の身だしなみ」の新常識をご紹介!

大人男子の「超」清潔感ハック
『大人男子の「超」清潔感ハック』(宮永えいと/KADOKAWA)

はじめに

学生時代は見られることが嫌いだった

 僕は人に見られることに対して、異常な執着があります。そして、人の目に映っていることを常に意識し、すべての行動を起こす人間です。

 僕は流行の発信地、東京・原宿で美容師をして10年。今もたくさんのお客様に愛していただいています。時に「カリスマ」、時に「売れっ子」と言われるような美容師になれたわけですが、30年間生きてきた軌跡を辿ってみると、「おかしなもんだな」と他人事のように思ってしまいます。

 僕は小学生の頃からトゥレット症(チック症)を発症し、人前で5秒に1回ほど「ホッ! チェッ!」と奇声をあげたり、汚言症で人前で言ってはいけない言葉を発してしまう毎日でした。授業中は「うるさいな」と注意され、電車ではチラチラ見られ、好きな子には「何それ、キモい」と言われました。どこに行っても「変な目で見られる」気がして堪らなく、人に見られることが最高に嫌いでした。そのためか、家の中でインターネット掲示板を眺めるのが一番の趣味でした。

 放課後から深夜までパソコンの画面と共に暮らしており、人に見られない生き方を選び、人の目にさらされることを避けていたのです。まさか10年後、対面でお客様の髪の毛を切り、「身だしなみを整えて、人生を変えましょう」と発信をしているなんて想像もできませんでした。

 13歳だった僕はインターネット掲示板でたまたま「ピーコスレ」と出会い、ファッションとヘアの虜になりました。お気に入りのコーデやヘアスタイルを見つけては鏡の前に立って写真に撮り、ファッションカテゴリ内にあったそのスレッドに投稿します。すると、匿名「ピーコさん」たちがファッションチェックを辛口でしてくれるのです。

「靴下の合わせ方がダサい」
「そのヘアスタイルはもう切りどきだね」

 こんな毒舌ながら的確なアドバイスを数十件もらえます。

 お気に入りのものにもボロカスに言われたりして、「え、これめちゃくちゃ自信あったのにな……」と凹みながらも、「なにクソ!」と投稿を続けていました。

 インターネットでは奇声は発しないですし、みんな1人の学生として評価してくれます。リアルでは人に見られることが嫌いでしたが、インターネット上では人に自分のコーディネートを見せることが楽しくなったのです。

 ファッションだけに留まらず、ワックスを買ってヘアスタイルをアップロードすると、美容師からのコメントがもらえたりと、インターネットを通じてさまざまな価値観を身近に感じることができました。

意識すればするほど「心の持ちよう」も変わる

 そんな仲間と「オフ会」をするチャンスがあったのですが、僕は参加するか躊躇していました。リアルな場に行けば、また奇声を発して「変な目で見られて」しまう。ですが、「ここで人生を変えたい」と決意し、原宿に15人ほどで集まるファッションオフ会に参加したのです。

 その日は楽しすぎて不安だったことも忘れ、心なしか空も高く、風も気持ちよく感じました。それ以上に、帰宅してから驚いたのですが、なんとその日はいつもの症状が出なかったのです。嬉しくてたまりませんでした。いつもヘアとファッションで自分を装い、思い描いていた「理想の自分像」をインターネット上で演じていたのがそのままリアルになったのか、奇声が出なかったのです。

「こうなりたい」と思って創造した見ために、心は追従してきてくれる。そう思ったとき、「見ためと心はつながっている」と確信しました。

 そのオフ会でコツをつかみ、僕のトゥレット症は徐々になくなっていきました。その出来事がきっかけとなり、見ためを磨いて自分に自信をつけることを信じ、没頭した僕は美容師を目指します。中学校・高校と受験をし、長年塾に月謝を払ってくれた親には申し訳なかったのですが、決めたらまっすぐ。反対意見すら聞かず美容専門学校に進学しました。

 今では美容師となり、お客様の髪の毛をカットする毎日ですが、切るたびにお客様の表情が変わっていくことを実感しています。

「髪型を変えたら、プレゼンがうまくいった」
「見ためを意識してイメチェンしたら、女性と話せるようになった」

 そんな言葉を聞くたびに、やはり「見ためと心はつながっている」と再確認します。

見ためを変えるとは清潔感を意識すること

 いつの間にか僕も皆さんも大人になりました。大人の皆さんに対して、「僕の経験をもっと活かせることは何か」「仕事に没頭する大人男子へ、僕がお手伝いできることは何か」と近頃ずっと考えていました。美容師として髪の毛を切る以外にも、何かできることがあるんじゃないか。そして、その答えがやっと明確化してきました。

「すべての大人男子の清潔感をつくるお手伝いをすること」

 大人男子の身だしなみにとって、清潔感は最重要事項の1つです。 清潔感を身につけることは自分の気持ちも晴れやかにし、周りの人も気持ちよくさせてくれます。

 そして何を隠そう、「見られること」を意識し続けた僕は、大人になってからは「清潔感」に一番力を注いできました。

 年齢を重ねるにつれて「見ため」を気にする人が減り、それに伴って「清潔感」までも気にしない人が増えていると感じます。けれど、大人になったからこそ、「清潔感」を意識した見ために変えることが重要です。

 それは清潔感がビジネスにもよい作用をしてくれるからです。

 仕事を例にしてみると、「自己肯定感を上げる」→「その状態で仕事をする」→「お客様や同僚と会う」→「よいコミュニケーションが生まれる」というのがよいサイクルの1つだと思います。この一連の流れをつくり出す入り口に、「清潔感のある見ため」が必要です。

 本書では、大人男子の最重要事項である「清潔感」をテーマに、「スキンケア」「メンズメイク」「ヘアスタイル」「ファッション」のポイントを紹介します。

 ヘアスタイルやファッションは多くの男性に馴染みがあると思いますが、スキンケアやメイクと聞いて「女性がやるものでしょう?」と考える人は多いでしょう。けれど、今では男性も、女性と同じようにスキンケアを行い、ひいてはメイクをすることが重要になってきます。それはなぜか? きっと本書を読めば納得していただけると考えます。

 では早速、自分が変われた経験を持ち、そして何人もの人の変わるきっかけをつくってきた僕だからこそ伝えられる「大人男子の身だしなみ」の楽しみ方を、この本を通じて皆さんにお伝えしていきたいと思います。

「身だしなみ」を整えれば、人生は変わる。本書を読みながら、あなたの新しい扉を少しずつ開いていきましょう。

<第2回に続く>

【レビューを読む】
▶将来7割の男性がスキンケアを始める? “清潔感”で仕事の成果を上げよう

この記事で紹介した書籍ほか

大人男子の「超」清潔感ハック

著:
出版社:
KADOKAWA
発売日:
ISBN:
9784046049056