人に失望しないために、覚えておきたい2つの「適当」な言葉/ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。 寂しくなくて疲れない、あなたと私の適当に近い距離③

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公開日:2021/2/21

オトナになるほど複雑になっていく人間関係。近すぎても疲れるし、遠すぎても寂しい。重すぎてもしんどいし、軽すぎても不安。そんな面倒くさい心の存在を認めて、自分の感情を自分で尊重してあげよう。疲れた心のお守りになる一冊から厳選してご紹介します。

ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。 寂しくなくて疲れない、あなたと私の適当に近い距離
『ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。 寂しくなくて疲れない、あなたと私の適当に近い距離』(ダンシングスネイル:著、生田美保:訳/ CCCメディアハウス)

ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。 寂しくなくて疲れない、あなたと私の適当に近い距離

ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。 寂しくなくて疲れない、あなたと私の適当に近い距離

 残念な人たちに失望させられること数知れず。もちろん、これが自分にだけ起こる特別なことでないことは知っている。それでも、毎日のようにニュースやSNSから聞こえてくる、人類愛を消滅させるような重い出来事にさらされていると、しまいには人を嫌いになる瞬間にぶち当たることになる。一種の人間アレルギーが出る感じとでも言おうか。

 自分でも到達できない、過度に理想主義的な期待をまわりの人たちと世の中に抱いていたせいもある。新しい人と出会ったとき、私たちはありのままの姿を見るより、そこに幻想と期待を上乗せする傾向があるから。もちろん、そういう肯定的な態度が悪いわけではない。ただ、関係を続けていく中で生まれる漠然とした期待と現実とのギャップを埋めるために、この2つだけは覚えておくと精神衛生によい。

 

 「へぇー、そうなんだ」と「イヤなら別にいいけど」。

 理解しがたい状況や他人を謙虚に受け入れ、かつ、対等な立場で自分の意見を伝えるための、私なりの対処法だ。この2つさえ覚えておけば、変な人に出会っても(もちろん「変」の程度によっては時間がかかるだろうが)心を楽に保つことができる。

 

健全な関係のための「適当」の技術

 誰かに失望したときや、満足のいく結果にならなかったときは「へぇー、そうなんだ」とやり過ごし、意見を言わなくてはならないときは「イヤなら別にいいけど」という盾を準備しておこう。人類愛の消滅寸前の段階で自分の心を救い出す方法は意外と簡単。

<第4回に続く>

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