トゥールミンモデルを“知っている”と“使いこなす”では大違い⁉ 達人になるためのトレーニングをしよう/一番いい答え-絶対後悔しない最適解の見つけ方-③

ビジネス

公開日:2021/3/3

論理競技で6連覇を果たした著者が、仕事や日常生活の悩みなどを「シンプルな考え方で最良な答えを導き出す方法」で分かりやすくご紹介しています。読み進めていくたびに、あなたに合った「一番いい答え」が見つかりますよ。

一番いい答え-絶対後悔しない最適解の見つけ方-
『一番いい答え-絶対後悔しない最適解の見つけ方-』(太田龍樹/ワニブックス)

〝知っている〟を「使いこなす」へ

 本書は、この「トゥールミンモデル」をあなたに完全にマスターしてもらい、使い手になってもらうことを目的としている。

 そのために、わかりやすい例を出し、自然に理解してもらうことを目指した。その例は、日常よく使われる題材であるので、ぜひ読み進めてほしい。

 トゥールミンモデルを、「知っている」と「使いこなす」では、大違い。

「使いこなす」ためには、しっかり理解することが大切だ。理解すれば、駆使することができる。

 とは言え、いきなり「トゥールミンモデル」「クレイム」「データ」「ワラント」と言われても、なかなかイメージしづらいかもしれない。

 そこで、次の例を見ながら、トゥールミンモデルの大枠のイメージをつかんでもらいたい。

 

【結論】「たんじろうは虫歯になる」
――説得力のある説明を考えてみよう

●例1●
クレイム(主張・結論):たんじろうは、虫歯になるだろう。
データ(事実):たんじろうは、食後に必ず甘いものを食べているから。

 こういう場合に大事になるのは、まず言葉の定義になる。虫歯とはなんなのか。

 NHK健康チャンネルによると、

「虫歯は、プラーク(歯垢)の中にいる虫歯菌が、酸を出し、歯を溶かすことで起きる病気です。虫歯菌は、歯を溶かす酸をつくる力の強い菌や弱い菌がいて、力の強い菌が多ければ虫歯になりやすくなります」

 と述べられている。

 たんじろうの妹・ねづこは、甘いものが大好きで食後にデザートなどを食べてしまうお兄さんについて、「虫歯になるだろう」と思っている。

 では、このクレイムとデータとの間に隠れている「隠れた理由=ワラント」はなんだろう。

ワラント(論拠):虫歯になるのは、虫歯菌が糖分をエサにするため、虫歯菌の増殖をまねくから。

 このように、「クレイム(主張・結論)」「データ(事実)」「ワラント(論拠)」が結ばれた三角ロジックが「トゥールミンモデル」だ。

 トゥールミンのロジックをマスターすれば、あなたの答えは明確で、説得力のあるものになる。

 さらに、表に現れていないワラント(論拠)を浮き彫りにすることができれば、あなたの反論力もアップする。

 

さあ、「メリットがある、論理的な答え」を見つけるトレーニングをしよう

 しかし、必ずしもこれが正解ではないのが世の常である。たとえば、このようなワラント(論拠)があったらどう考えればいいのだろうか。

ワラント(論拠):虫歯になるのは口の中が乾き、殺菌作用のある唾液が不足しているから。

 この別のワラントを用いれば、必ずしも、「虫歯になるだろう」というクレイムは言えなくなる。つまり、主張や結論は、現状のあなたが持つ情報や、あなたが置かれている状況によって変わってくるのだ。

 世の中には、〇か×かという正解がないと冒頭で話したが、現状の中でいかにメリットがあり、論理的な答えを見つけ出すか、が大人の世界では最重要である。

 あなたが対峙するあらゆる問題、悩みは、トゥールミンモデルで解決することが可能だ。

 というより、後悔しないためには、トゥールミンモデルを使い、現状の中で最も理想的で、正しい答えを見つけるしかない。

 最適解は、メリットがあり、論理的な答えだ。

「クレイム(主張・結論)」「データ(事実)」「ワラント(論拠)」がつながり、成り立つ答えを出すことで、最も正しい答えに近づける。

 それでは、これから、トゥールミンモデルの達人になってもらうためのトレーニングを開始しよう。

 難しいことはない。安心して読み進めてほしい。

<第4回に続く>