バザー当日、タイトルを勝手に変えたBさん。彼女への不信感は膨らむばかり…/勘違いママBさんとの奮闘記
公開日:2022/3/19

何人かってだれやねん。
「いろどり」そんなにわかりにくいかなあ。
ってゆーかバザーの名前やで。
子ども広場の名前やったら慎重に決めようとするのもまだわかるんやけど。
バザーやで。(2回目)
年に一回しか行われないバザーのタイトルですよ。
そんなにみんなに説明せなあきませんか?
っていうか店の名前の由来ってそんなに気になります?
みんなファミレスの名前の由来とか、コンビニの名前の由来とかご存知です?
…とか言いたいことはたくさんありましたけども…Bさんはこう続けました。


もうみんなの心の声が一体となったよね。
いやホンマに。
そんな細かいルールがあったんやったら先言うて。
みんなからの投票で選ばれたのに、蓋開けたら別の人の作品が選ばれてた高橋さんの気持ちとか考えたことあります?
こんなん小学校でやられたらPTA大騒ぎですよ。
みんなからの投票で選ばれたってことは、それなりにやっぱり魅力があったってことじゃないですか。
ってゆーか子ども広場に来ている大多数は説明なくてもそれを選んでるわけで。
別に小洒落てるから選んだわけじゃないですよ。
その言葉が魅力的だったから選んだんです。
もう誰やねん説明求めたやつああ!!!



たしかにありました。
そしてたしかに、高橋さんの説明を要約するとこのタイトルにはなりますけど。
結局Bさんのアイデアかい!!!
もう何を言われても。どう言われても。
どれだけそれっぽい説明をされたとしても。
もともとBさんのアイデアを採用する流れになってたとしか思えない。
でもそれなら最初からBさんのアイデアを通せば良かったのではないでしょうか。
一見平等な決め方のように思える「投票」なんかしないで。
みんなの意見を尊重する「風」を装わないで。
ちゃんとストレートに独裁者になってくれれば良かったのに。
こんな周りくどいことをしたって、結局最初から最後まで独裁者なのですから。
中途半端にみんなに期待を持たせたり、喜ばせたり、心が広いふりをするから。
高橋さんは傷つき、私たちの不信感が膨らむんです。


さらに何か言おうとする前田さんをなだめ、高橋さんはそれ以降何も言いませんでした。
この時私たちは知らなかったのですが、高橋さんはすでに復職が決まっていて。
お子さんは保育園に預けて仕事に復帰されるので、子ども広場への参加はこの日のバザーが最後だったそうです。
なんとも後味の悪い最後になってしまい、何もできなかった自分が歯痒くて仕方ありませんでした。
高橋さんが来なくなってから、前田さんも子ども広場には姿を見せなくなりましたが…。
田中さんの情報によると、高橋さんはまたコピーライターとして活躍していて、前田さんも高橋さんと同じ事務所で働きはじめたそうです。
数年後。だれもが知っている有名な商品のコピーに高橋さんの案が採用されます。
でも、高橋さんの仕事を知らないボスママはきっと、今も知らないままだと思います。
◆子ども広場の変化

高橋さんに続き、復職が決まったり保育園に入園が決まったりして、子ども広場を卒業する人が増えました。
当初から仲良くしてくれていた佐藤さんも復職のため子ども広場は卒業されてしまいましたが、なんやかんやで田中さんと三人で今もお付き合いは続いています。
同時に新しく入ってくる人も何人かいらっしゃって、新人だった私もすっかり中堅。(子ども広場の中堅ってなに)
いろいろな変化がある中で…

中堅の私たちはBさんへの不信感がぬぐいきれず、適度な距離を保って接しているのですが。
新人さんはどんどんやってくるので、Bさんはせっせとまたルールの書かれた紙を配って、みなさんを困惑させていました。
そしてBさんの信者もまたちらほらと生まれはじめたある日のことです…。


白目みさえ
臨床心理士・公認心理師として精神科に勤務するとしごの母で、生粋のオタク。基本的に白目をむいて育児をしていて、その様子をカルタにしたものを増産している。ライター、イラストレーターとしても活動中。著書は『脱力系育児マンガ 日々白目むいてます』(SBクリエイティブ)。
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