まるで小説を読んでいるかのような美しい歌詞と柔らかくしなやかなサウンドで聴く人を物語の世界へと誘う、シンガーソングライターの吉澤嘉代子さん。言葉を編み続ける彼女を構成するものとは? これまでに出会った、人生を変えた“運命の一節”をお届けします。
ある日ふと、子供の頃に夢中になった映画を思い出した。配信では見つからず、中古のDVDを購入して観ることにした。ノルウェーの作家ヨースタイン・ゴルデル原作の映画『…
文芸・カルチャー
2025/8/29
私は幼稚園児時代に居酒屋でアルバイトをしていた。酔っぱらいの客にも慣れたもので「可愛い子ちゃん」「ヒューヒュー」とからかわれても、愛想よくあしらいテキパキと配…
文芸・カルチャー
2023/11/25
あなたは幽霊の存在を信じますか? こんなふうに始まる文章で、書き手が「信じない派」であるパターンを読んだ試しがないのだが、斯くいう私は信じない派だ。 現実で霊的…
文芸・カルチャー
2023/12/25
30歳を過ぎたあたりから恋の話を耳にしなくなった。大抵の同級生は結婚して落ちついているか、仕事に生きているか。好きな人の話で何時間も潰せたあの頃はどこへやら。話…
文芸・カルチャー
2024/1/31
鮨が好きだ。世界中の食べもので一番好きかもしれない。海から獲れた有難き一切れを、酢飯で握って一口で味わう瞬間。もし毎日同じものを食べなくてはいけないとして、私…
文芸・カルチャー
2024/2/25
子供の頃、母に叱られて家出を決意したことがある。しかし、勢いよく階段を下りていざ玄関に出ると、いつもと違うきんと張り詰めた空気に怖気付いてしまった。一旦は祖母…
文芸・カルチャー
2024/4/25
昔々、魔女にさらわれる夢をみた。黒いドレスを纏い、幾つもの宝石を輝かせる不気味な老婆。その恐ろしい姿が焼きついて、目が覚めても胸の高鳴りは消えなかった。そのう…
文芸・カルチャー
2024/6/25
したあとの朝日はだるい自転車に撤去予告の赤紙は揺れ 『発芽/わたくしが樹木であれば』(岡崎裕美子/青磁社) この歌にふれたとき、私はまだ中学生で朝帰りをしたことが…
文芸・カルチャー
2024/7/25
弟が生まれてから、私は弟を守る夢をみるようになった。マスコットのように小さくなった弟を抱いて逃げる夢。弟をいじめるヤクザやごろつきなどと戦う夢。 自分だって悪戯…
文芸・カルチャー
2024/8/25
―時は令和。恋愛産業革命。 人々は運命の出会いを求めてインターネットの海へ旅に出た。― 一昔前までは何処の馬の骨かもわからない相手と会うなんて危険で愚かしいという…
文芸・カルチャー
2024/10/31
友達って何だろう。対等な関係、損得のない関係、心を許しあう関係。私には気の置けない仲間という言葉がいつもしっくりこない。どんなに親しくなった仲にも微かな緊張は…
文芸・カルチャー
2024/11/25
子供の頃から漠然と運命を信じていた。その人でなくてはだめで、私でなくてはだめな唯一無二の存在。この世の全てを分かち合う双子の片割れのような人。小説や映画で憧…
文芸・カルチャー
2025/1/25
真夜中。心が重くなっているのを感じる。理由はいくつか思いつく。今日のあれ、数日前のあれ、30年前のあれ。だけど正体を探るうちにどれも後付けな気がしてくる。ほん…
文芸・カルチャー
2025/3/25
ある日ふと、子供の頃に夢中になった映画を思い出した。配信では見つからず、中古のDVDを購入して観ることにした。ノルウェーの作家ヨースタイン・ゴルデル原作の映画『…
文芸・カルチャー
2025/8/29
1990年6月4日生まれ。埼玉県川口市鋳物工場街育ち。2014年にメジャーデビュー。バカリズム原作ドラマ『架空OL日記』の主題歌として1stシングル「月曜日戦争」を書き下ろす。2ndシングル「残ってる」がロングヒット。2025年4月20日に2度目の日比谷野外音楽堂公演「夢で会えたってしょうがないでショー」を開催。デビュー11周年記念日となる5月14日に『第75回全国植樹祭』大会テーマソング「メモリー」をリリース。9月放送のNHK夜ドラ『いつか、無重力の宙で』では書き下ろし楽曲「うさぎのひかり」が主題歌に決定。10月から全国ツアー「歌う星ツアー」でライヴハウスをめぐる。