笑顔で人体を切り刻む子どもたち――。山奥の児童養護施設に秘められた、残酷な現実

アニメ・マンガ

2018/10/27

『チルドレン』(三浦みう/スクウェア・エニックス)

 子どもとは、ときに残酷な顔を見せるものだ。虫を解体してみたり、草花を無残に引っこ抜いてみたり……。そこにあるのは、「世界をまだ知らない」という無知と、ゆえにその成り立ちを知りたいという根源的な欲求だ。それが彼らを残酷な衝動へと向かわせる。

 そんな子どもたちの残虐性をストーリーの軸に据えた作品が、『チルドレン』(三浦みう/スクウェア・エニックス)である。

 本作の舞台となるのは、東北の人里離れた山奥にある「児童養護施設」。主人公である大学生・五十嵐透は、「半年間のバイト代・300万円」という大金につられて、その地を訪れる。しかし、そこで透を待っていたのは、悪魔のような子どもたちだった。

 その施設には、秘密がある。それは、「人体解剖」を行っているということ。アンダーグラウンドの世界に生きる住人の依頼を受け、運ばれてきた遺体や、ときには生きた人間をも細かく解剖していくのだ。そして、それを担当するのが、施設に住む子どもたちなのである。

 彼らには罪悪感がない。自分たちのしていることが犯罪であること、悪いことであるという自覚がない。だからこそ、なんの躊躇いもなく、人を殺してしまう。常識や理性というブレーキがない分、彼らは大人よりも恐ろしい存在になっている。

 もちろん、その秘密を知った透は、説得できた子どもたちを連れて施設からの脱出を企てる。しかし、それを知った園長・清水桜子は、抜け出そうとする子どもを殺してでも止めようとする。はたして、透はこの地獄から脱することができるのか……。

 無邪気な笑顔と残虐な行為。その掛け算は、本作に圧倒的な恐怖をもたらしている。普段は弱い立場に押しやられがちな子どもたちが脅威になったとき、大人はどう対処できるのだろうか。グロマンガの新星を、その目で確かめてみてもらいたい。

文=五十嵐 大