酒を愛し、酒に愛される孤独な女、酒村ゆっけ、。 最近はYouTube活動だけでなく、執筆やアーティスト活動など多彩に活躍する。 酒だけでなく映画や本にもおぼれる彼女が、 忘れられない「酒にまつわる映画や本」を紹介していくエッセイ。
■『ドカ食いだいすき!もちづきさん』 わたしは、たらふくご飯を食べたあと、うとうと眠くなる時間が好きだ。 四六時中、あらゆる考え事が頭の中から消えず、気が休まら…
文芸・カルチャー
2025/3/21
大学受験を控えた高校三年生の秋。 喜びも悲しみも感じない機械のようになってしまった私に感情を授けてくれたのは『ハリー・ポッター』だった。 この時期に趣味や熱狂で…
文芸・カルチャー
2024/1/12
小学校低学年の時、放課後にあそぶ友達もいなかった私はとにかく退屈していた。毎日少しずつ楽しみに読み進めていた月刊少女漫画誌も読み終えてしまい、まだ明るい時間か…
文芸・カルチャー
2024/1/26
社会人になって初めて芽生えた「疎開したい」という感情。 人間関係やしがらみに巻き込まれるたびに、「疎開したい」が口癖になった。 田舎暮らしの経験はもちろん、自炊…
文芸・カルチャー
2024/2/9
突然ですが、みなさんは夢の中で恋に落ちたことってありますか? 会ったことも見たこともないのに、好きになって午前中引きずってしまう。一目惚れのような現象。けど、午…
文芸・カルチャー
2024/2/23
意味もなくグラスに入った赤ワインを傾け三日月を描く夜。 珍しく一人、家の中でグラスにワインを注ぎ、大好物のブルーチーズを切り分け皿に盛り付ける。 今夜は気合が入…
文芸・カルチャー
2024/3/22
ふらり迷い込むは地獄 春、綿菓子のように優しい風にふわりと背中を押され住宅街を通り抜ける。 商店街を歩いていると揚げたてのコロッケのいい匂い。 片耳にだけはめてい…
文芸・カルチャー
2024/4/6
気持ちのいい夜風が、手に握りしめているマクドナルドの紙袋の独特な香りを運んでくる。 そっと深呼吸するたびに、甘えたような声でお腹が鳴る。 私がぱっと思いつく一番…
文芸・カルチャー
2024/4/19
酒村版『スーパーサイズ・ミ―』開演 やはり、効果が出ているか確認するには継続的に検証していく必要がある。 流石に10日に一度はケンタッキーが食べたいし、20日に一度は…
文芸・カルチャー
2024/5/3
最近、低気圧の時のように身体が沈んでいくような毎日を過ごしていた。 やる気もなければ生き甲斐も見当たらないの。 新しい季節の移り変わりで、大好きだったアニメが終…
文芸・カルチャー
2024/5/17
これまで、私は友達とする日常会話が苦手だった。 何を話せばいいのかわからない。常に頭の中はこれを言ったら好感度が下がるかもしれないとシミュレーションゲーム状態。…
文芸・カルチャー
2024/5/31
雨がもしもしと、わたしのつむじをつつく。 真上を向くと、テーブルコショウのように、なんともいえない、ざらついた灰色の空。 思わず、くしゅんとくしゃみをする。これ…
文芸・カルチャー
2024/6/14
おなかの予鈴が、ぐーぐー鳴り響く正午。 炊飯器にはカピカピになったお米が少しだけ残っていて、冷蔵庫の中には期限の切れたごはんですよ!がぽつん。 暑そうだし、外に…
文芸・カルチャー
2024/6/28
さっき開けたばかりのはずのレモンサワーが、いつの間にか空っぽになっていた。 ぱりぱりとつまんでいた味付け海苔を、窓から見える空にかざすと、おんなじ色をしている。…
文芸・カルチャー
2024/7/12
長い夕暮れ、うだるような暑さ、震える声で鳴く蝉の声。 どこへでも行けそうな夏なのに、どこにも行きたくなくて、猫の毛だらけの扇風機のなまぬるい風に当たっている。 …
文芸・カルチャー
2024/7/26
蝉がシャワシャワシャワシャワと泣き叫び、わたしの頭の中の空白を埋め尽くす。 キッチンは、じめじめとしていて、除湿機が瞬く間にタンクいっぱいになってしまう。 さっ…
文芸・カルチャー
2024/8/23
ぐうぐうと空腹の予鈴が鳴り響く。 布団の上でごろごろスマホをいじっているうちに、お昼ご飯の時間はとっくに過ぎていた。 昨日の深夜に食べたはずの、油そばはすっかり…
文芸・カルチャー
2024/9/6
ぴかぴかと白い光が、真っ暗な夜を一瞬だけ連れ去っていく。 ごろごろ鳴り響く雷は、わたしのお腹のなる音よりも大きく低い声でうなっている。 天気が荒れていると、低気…
文芸・カルチャー
2024/9/21
ずーん。 もう、わたし…だめかもしんない…と呟きながらも、数日前から放置されていた食器を洗っている。 あーもうだめだ、と思った回数の方が食器を洗った回数よりも、は…
文芸・カルチャー
2024/10/4
朝、目が覚めて真っ先に思い浮かぶ、あつあつほっかほかなカツ丼のこと。 寝ぼけ途中、寝巻きのまま蕎麦屋のカツ丼を食べるために、思い切って外に出た。 二度寝がのしか…
文芸・カルチャー
2024/11/1
ぶるぶる。 鳥肌が止まらない。 ここ数日間、二日酔いばかりでケンタッキーを食べすぎたせいか、自分が鶏肉になってしまったのかと思っていたが、どうやら違ったようだ。 …
文芸・カルチャー
2024/11/15
街がぐっすり眠りについた頃、わたしは起きる。 静かすぎる夜に響くのは、コンビニの袋のかすれる音と気の抜けた鼻歌。 深夜のコンビニ帰りはいつだってご機嫌だ。 歌って…
文芸・カルチャー
2024/12/2
「ねえ、ちょっと聞いてんの?」 小刻みにふるえる身体が、わたしの焦りを物語っていた。 普段から感情的になることは滅多にない自分が、行き場のない怒りをばらまいてし…
文芸・カルチャー
2024/12/13
ぷかぷか浮かんで、ちょっとだけ泳いでみよう。 執筆の手を止め、インターネットにヒントになる財宝が落ちていないか海を泳いでみる。 果てしなく続く海にゴールはなくて…
2024/12/27
深夜のキッチンできらめく水飛沫が宙を舞う。 太陽も月も照らしていないのに、青春よりもプールサイドよりもイルミネーションよりも光って光って死んだ。 床の木目をなぞ…
文芸・カルチャー
2025/1/10
■『団地のふたり』 思い出のアルバムを開いたようなセピア色の夕暮れ、通りかかった団地からおいしそうな匂いがこぼれている。 カレーライスのような、豚汁のような、…
文芸・カルチャー
2025/2/7
■『ドカ食いだいすき!もちづきさん』 わたしは、たらふくご飯を食べたあと、うとうと眠くなる時間が好きだ。 四六時中、あらゆる考え事が頭の中から消えず、気が休まら…
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2025/3/21
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