『カゲロウデイズ』の次はこれだ! ラノベ&ボカロ通が選ぶ、話題の<ボカロ小説>3選!

マンガ

公開日:2014/4/27

 「ボカロ小説」が今話題になっている。その筆頭は現在放送中のアニメ「メカクシティアクターズ」の原作小説でもある「カゲロウデイズ」シリーズ(KCG文庫より刊行)だ。だが、「ボカロ小説」とひとことで言っても実はいくつかの種類がある。大きく分けると以下の2つ。

・ボカロ楽曲を元にし、初音ミク(※)などのVOCALOID(※)キャラクターが登場する小説。
・ボカロ楽曲を元にした、初音ミクなどのキャラクターが登場せず、楽曲のオリジナルキャラクターが登場する小説。

 他にも、VOCALOIDそのものを題材にした小説や、ボカロPが執筆した楽曲が元になっていない小説があったり、分け方としても1つの楽曲を元にしているか、一連の楽曲シリーズを元にしているかなどがある。しかし、大きな違いとしてはキャラクターがオリジナルか否かにあると言っていいだろう。

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 「カゲロウデイズ」はこれでいうと「初音ミク」などのキャラクターが登場しない、オリジナルのキャラクターで展開される小説シリーズだ。さらに、ボカロPである「じん(自然の敵P)」本人が小説を執筆しており、楽曲と小説というメディアを横断することで、より多角的に物語世界が楽しめる構造になっている。今回紹介するのは、こういった構造に近い「ボカロ小説」3選だ。「カゲロウデイズ」の次はぜひこれらもチェックしてもらいたい!

「終焉ノ栞」シリーズ
(スズム:著、さいね/こみね:イラスト/KADOKAWA メディアファクトリー)
主犯:150P
1~3巻まで発売中


「この本は決して手にしてはいけない」
ボカロPの150P(ワンハーフピー)が中心となり、豪華クリエイターが集合したプロジェクト。小説を執筆するのは楽曲の作詞を担当し、自身もボぼかカロPとして活躍するスズム。『終焉ノ栞』と呼ばれる都市伝説を中心として、多数の謎が絡み合うホラーサスペンスになっている。楽曲や小説、CD、コミックなど複数のメディアで仕掛けられる「謎」は、一度嵌まると抜け出せなくなること必至!

「ミカグラ学園組曲」シリーズ
(Last Note.:著、明菜:イラスト/KADOKAWA メディアファクトリー)
1~3巻まで発売中


「あなたは何部に入る? テンションMAXな学園青春異能ストーリー!」
ボカロPのLast Note.(ラストノート)が展開する楽曲シリーズ。小説はLast Note.本人が執筆。とにかく底抜けに明るくて、男女共にかわいい&カッコいい個性豊かなキャラクター達が登場する。文化系の部活しかない私立学校だが、部活の代表同士が異能力でバトルするという設定も面白い。魅力的な学園生活は、「こんな学園に入りたい!」と思う人が続出!

「女学生探偵」シリーズ
(てにをは:著、なのり:イラスト/アスキー・メディアワークス)
1~2巻まで発売中


「先生事件です!」「やれやれ」
ボカロPのてにをはが元々執筆していた物語を楽曲にしてみたという異色シリーズ。刊行されている小説はもちろん本人が執筆。推理小説が大好きな女学生のひばりと、売れない推理作家でドSな久堂の2人の掛け合いが楽しい。また、楽曲の和風ロックなテイストとマッチした昭和レトロな雰囲気と推理小説ならではの謎解きもしっかり楽しめる作品になっている。

 ボカロCDの場合も初期は「初音ミク」などのキャラクターにフューチャーしたCDが多かったが、次第にボカロP本人への関心が高まって行った。「ボカロ小説」に関しても同じようにクリエイターが創り出す「世界観」そのものへの関心が高まって行っていると言えるのかもしれない。今後も様々なクリエイターが創り出す「物語」を楽しみにしていきたい。

※初音ミクはクリプトン・フューチャー・メディアから発売されているボーカル音源、およびそのキャラクターです。
※VOCALOIDおよびボカロはヤマハ株式会社の登録商標です。