死後、自分の秘密が他人にバレる… 生田斗真主演で映画化! 死者の頭の中を捜査する前代未聞のミステリー

マンガ

公開日:2015/12/18

新装版 秘密 THE TOP SECRET 1』(清水玲子/白泉社)
新装版 秘密 THE TOP SECRET 2』(清水玲子/白泉社)

 「死者の記憶を覗き見る勇気はあるか?」
2016年8月公開の映画『秘密 THE TOP SECRET』。主演の生田斗真に続き、岡田将生、松坂桃李、栗山千明、大森南朋という豪華なメインキャストが発表された。監督は「るろうに剣心」 シリーズで興行収入3作合計130億円を超える大ヒットを記録した大友啓史。

 原作コミックは第15回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した清水玲子の『秘密THE TOP SECRET』(白泉社)。装いも新たに、12月18日には『新装版 秘密 THE TOP SECRET 』の1、2巻が同時発売された。

 舞台は2060年。限られた天才エリートだけが働くことを許される科学警察研究所法医第九研究室、通称「第九」。事件の捜査に使われるのは、“死んだ人間の脳”から過去の記憶を映像化できるというMRIスキャナー。

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MRIスキャナーは、死者が見ていた映像を最大5年前までスクリーンに映し出すことができる。死亡後10時間以内に死体から損傷のない脳をとり出し、スキャナーで生前と同じ状態に保ち、一定の電気刺激を与えて脳を120%働かせる。死ぬ前に見たもの、景色、犯罪に使われた凶器、犯人の顔、捜査員はそれらを「見る」、つまり“殺し”の生々しい全貌を映像で追体験することで、事件の真相を明らかにしていくのだ。

 かつて日本を震撼させた「“あの”28人殺し」と呼ばれる凶悪な連続殺人事件の犯人の脳をMRIで見た捜査員の5人中3人が、その影響で闇に心を引きずり込まれ死亡してしまう。もう1人も精神を病み入院。唯一残ったのが現在の「第九」室長、薪剛(まき・つよし)警視正。彼が「第九」のメンバーとともに事件の解明に挑んでいく。

 そして、2060年1月17日、9人の少年たちが自殺する事件が起こる。以前、彼らは同じ少年院に入っていたことが判明する。事件当日は、ほとんどのテレビ局で皇室の結婚パレードの様子が放送されていた。薪はそれらに関連性がないか、メンバーに指示するも、かつて捜査員たちを闇へ引きずり込んだ”28人殺し”との関係が浮上。事件は思わぬ方向に展開していく。

 はじめてMRIの映像を見た者は、その映像の鮮明さに言葉を失い、皆考えることがあるという。「もし自分が死んだら――死んでこんな風にたくさんの人間に自分の考えを見られたら…」。科学技術の進歩で犯罪を解明できるようになった一方、人の“秘密”に足を踏み入れる捜査員たちと、事件関係者たちの胸中とは?

 新装版は全12巻、2016年4月まで毎月刊行予定。

文=女生徒

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