水木しげる『屁のような人生』緊急特別出版!―これぞ水木しげるの人生クロニクル

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/16

 2015年11月30日(月)に享年93歳で逝去した水木しげる。彼の人生クロニクルとも言える、『普及版 屁のような人生 水木しげる生誕八十八年記念出版』が、2015年12月26日(土)に発売された。同書は、水木の米寿を記念して発売した限定版作品集『屁のような人生 水木しげる生誕八十八年記念出版』を普及版として出版するもの。収録内容は限定版と同一だ。

 絵が得意だった少年時代、南方の戦地へ赴いた従軍時代、復員後の紙芝居、貸本漫画時代を経て、商業誌デビュー、そして人気漫画家へ。その人生を年代で区切り、それぞれの時期に描いた代表的作品を、関係者の証言を添えて網羅的に構成。少年時代に描いた幻の創作童話絵本や、今では読めない名作の数々も収録されている。日本漫画界の驚異にして巨星、水木しげるのすべてが詰まった決定版といえるだろう。

<目次・収録作品>
カラーグラビア 水木しげる八十八番目の秋

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第1章:テーノと呼ばれて 落第生の頃
小学生時代の作品/正福寺の六道絵/創作童話集

第2章:軍隊はコッケイなところだった 二等兵の頃
「ラバウル戦記」「トーマの日々」/戦地からの軍事郵便

第3章:金がないから散歩ばかりしていた 紙芝居の頃
「奇人メイ伝」「女性観察スケッチ集」「絶望の町」

第4章:ふくまんじゅうが生き甲斐だった 貸本漫画の頃
「幽霊一家 墓場の鬼太郎」抄/「悪魔くん」「河童の三平」抄「鬼軍曹」

第5章:奇妙な人がやけに多かった『ガロ』の頃
「丸い輪の世界」「ハト」

第6章:妖怪イソガシに追い回されて『マガジン』・『サンデー』の頃
「テレビくん」「おばけナイター」「河童の三平幽霊の手」

第7章:漫画はオモチロくなければイカン 青年漫画の頃
「一陣の風」「イースタ島奇談」

第8章:妖怪サンに描かされているんです 画匠・水木しげる
妖怪画「金山様」「傘化け」「土用坊主」ほか

第9章:妖怪を追いかけて幸福になった 世界妖怪協会会長・水木しげる
水木しげる妖怪フィールドワク「シュバルの理想宮」「ホピ純粋なる精霊信仰」ほか

第10章:幸せは八十を過ぎてからです 幸福観察学会会長・水木しげる
「花町ケンカ大将」「落第王」「余生」

■『普及版 屁のような人生 水木しげる生誕八十八年記念出版
著:水木しげる
価格:2,800円(+税)
発売日:2015年12月26日(土)
出版社:KADOKAWA

水木しげる
1922年鳥取県境港市生まれ。従軍経験の後、終戦より紙芝居貸本漫画などを1964年『ガロ』にて商業誌デビュー。代表作に『ゲゲゲの鬼太郎』、『悪魔くん』、『河童の三平』や従軍体験を元に描いた『総員玉砕せよ!』などがある。『ゲゲゲの鬼太郎』は何度もアニメ化されるなど、多くのファンに長く愛され続けている。2007年『のんのんばあとオレ』によりフランス・アングレーム国際漫画祭で日本人初の最優秀作品賞を受賞。1991年紫綬褒章、2003年旭日小綬章を受賞。2010年、文化功労者に選出される。2015年11月30日、逝去。享年93歳。