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タワマン階層ヒエラルキー、ママ友合コン、盗撮…ツッコミどころ満載の『砂の塔~知りすぎた隣人』は「イラワク」ドラマだ!

出典:『砂の塔~知りすぎた隣人』公式サイトより

 「あなたは蛾 嘘つきの蛾よ!」

 もし、同じマンションに住むボスママにこんな言葉をぶつけられたらどうする?私なら多分、失禁するか殴りかかって自爆する。

 視聴率こそ10%弱を行ったり来たりしているものの、オンエア開始とともにSNSを一気に賑わせるドラマがある。TBS系列で金曜22時から放送中の『砂の塔〜知りすぎた隣人』だ。

 湾岸のタワーマンションに越してきた亜紀(菅野美穂)ら4人家族。亜紀はふとしたことから最上階の50階に住む寛子(横山めぐみ)の機嫌を損ね、マンション内でママ友いじめに遭う。亜紀の上階に住む弓子(松嶋菜々子)はそんな彼女をフォローするのだが、弓子の自宅には、各家庭内を監視するモニターが設置されていた―――。

 と、ここまで書いて自分でも「ザッツ荒唐無稽」とは思うものの、やはり“マンション階層ヒエラルキー”や“学歴詐称問題”、“ママ友合コン”等のある種下世話な流れから目が離せない。F2世代でそう感じる視聴者は多いらしく、セレブ家庭の子どもが着ているブランド服の値段をあげて「本当は借金まみれじゃないの?」とか、湾岸に建つタワーマンションの価格を提示し、各家庭の年収を予想するなど、本筋と関係ないところで盛り上がっているのも面白い&何気に怖い。

 さらに、主人公である亜紀役・菅野美穂のイジメられっぷりが半端ないのがこのドラマの大きな特徴。夫(田中直樹)の会社の商品を使ってもらおうと、マンション内のパーティーにオーガニック食材のオードブルを持参するのだが、亜紀と体操コーチ・生方(岩田剛典)が実は幼なじみだということを知った寛子に、目の前で全てのオードブルを床に落とされ、ママ友軍団の前で掃除をさせられるわ、別のママ友と動物園に行くのを阻止され仲間外れにされるわ、グループラインで悪口を言われまくるわで、ほぼ昔の少女漫画モードの展開が刺さる。てか、こんなママ友いじめ、リアルであるの? 21世紀のキャンディ・キャンディか。

 リアルじゃないと言えば、亜紀の長男・高校生の和樹(佐野勇斗)は何だか他の家族とよそよそしいし、いくら幼なじみとはいえ、20年近く会っていなかった亜紀に「なんで結婚しちゃったんだ」といきなり抱きつく生方コーチも良く分からない。これはEXILE兼三代目J Soul Brothersのガンちゃんを年上既婚女性に恋させておけば、主婦層のハートをガッチリ掴めるぜ!という製作側の作戦?だとしたら詰めが甘い、甘過ぎるよ。もっと納得できるシチュエーションをきっちり作ってくれなくちゃ!

 さらに『砂の塔』にはありそうで実際にはあり得ないエピソードが満載。ベビーシャワーで水着でジャグジーに入ってシャンパン飲むママたちとか、いくら兄妹とは言え、無断で園から妹を連れ出して動物園に連れて行くとか、宅配便のお兄さんとのプチ不倫がばれてママ友から総スカンとか、プリザーブドフラワーに仕込まれた盗聴器とか……ツッコミどころが多すぎて、一周回って面白い。

 実際のところ、タワーマンションには「住んでる階数が高いほど人間的にレベルも上」的なポンチな考えを持つ居住者もいたりするのだろうか。まあ、タワマンでなくとも、住んでる番地や出身地でマウンティングしてくる人はいるけどね。こうなってくると、連続幼児行方不明・ハーメルン事件の犯人が誰かということより、いつボスママ・寛子が亜紀の前に崩れ落ちるかということの方が100倍気になる。

 今期の秋ドラマでもっとも“化けた”新垣結衣×星野源の『逃げるは恥だが役に立つ』がジリジリしながら萌える「ジリ萌え」作品なら、『砂の塔』は主人公の要領の悪さと現実離れした構成にイライラしながらもどこかワクワクして見てしまう「イラワク」ドラマだ。

 それにしても、エントランスにコンシェルジュがいるようなタワマンに住んだら、コンビニにアイス1個買いに行くにも大変そう……と、その予定もないのにぷるぷる身震いする秋の夜、なのである。

文=citrus小姑系エンタメライター 上村由紀子



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