勇者の年収は0~10億円!? 2次元の世界に就職したら…

マンガ

更新日:2012/11/16

  長引く景気低迷で就職難が続いている。厳しい就活を強いられ、身も心も疲弊している学生たちも少なくない。「いっそ2次元の世界に就職したい」なんて現実逃避したくなっちゃう人もいるかもしれない。


 そんな現実逃避にうってつけの本が登場した。それが『幻想世界のハローワーク―『ドラクエ』の勇者から『FF』の聖騎士まで!』(幻想職業案内所、スタジオエクレア/笠倉出版社)だ。この本では、全77種におよぶ幻想世界のジョブの適正能力から収入、仕事内容までがきれいなイラストとともに紹介されている。
 
 たとえば、2次元世界には欠かせない「勇者」という職業は「年収:0~10億円。適正能力:運命に祝福された方、過酷なイベントにもへこたれない方」という感じで紹介されており、さらに読みこんでみると、仲間へ的確な指示を下す広い視野と戦術センス、そして彼らをまとめあげるカリスマ性が必要であるらしい。さらに貴族や王族はもちろん、異種族とすら交渉を可能とするコミュニケーション能力が必須であるとも書かれている。こんなところにもコミュ障の壁が……。しかし、こうしてみると「勇者」ひとつとってもさまざまなスキルが必要であることがわかる。
 
 ここで、気になるのは幻想世界での「ホワイト企業」なみの職業と、「ブラック企業」なみにきつい職業がなんなのかということ。「ホワイト企業」職業の代表格は、やはり「聖騎士」。年収は800万~3千万。適正能力は高潔で信仰心の篤い人格者の方、騎士と神官の能力を兼ね備える方、とある。求められるスキルは高いが、この職業につきさえすれば、バックには国家や宗教という大きな組織がつくことになる。給料は高いし、防具や武器などもレベルの高いものを支給されるという高待遇。老後も安心だろう。
 
 逆に「ブラック企業」職業の筆頭としては「暗黒騎士」年収は0~2千万。暗黒神・悪魔などを信奉する方、魔物社会でものし上がれる方が適正らしい。悪魔や邪神との契約や、呪われた装備を手にすることですぐになれるお手軽さが魅力。しかし、人々からは忌み嫌われ、まともな賃金も手にできない可能性が高い(魔物や悪魔側なので下手すると「肉」とかかもしれない)ので、過酷な職場であることは間違いないだろう。
 
 幻想世界での高給取りといえば、やはり「国王」。年収は3千万~20億円と破格だ。しかし、その分、求められる適正能力も高く、カリスマ性を備えた方、大局観を持っている方、王族出身の男性がなれる職業であるらしい。また、悩みがつきない職業でもあり、クーデターに対する恐怖や、モンスターの出現によって危険にさらされた国の心配、さらわれた姫の安否の行方、勇者の選定などを一身に請け負わなければならないのだ。こうやってみれば、無難に道具屋とか武器屋などを営むほうが精神的には楽かもしれない。
 
 そんな、武器屋・防具屋の職業はどうなのだろうか。年収は300万~500万。適正能力は、冒険者を支援したい方、装備品が好きな方と書かれている。巷に戦いがあふれている以上、食いっぱぐれの無い職業のうえ、鍛冶屋と店の立地さえ確保すればなれる。もし、土地がなくても、弟子入りやアルバイトとして入ればだれにでもなれるので、幻想世界初心者にはもっともつきやすい職業であるといえるだろう。
 
 ほかにも黒魔導士や海賊、忍者などの職業も紹介されているので、自分にできそうな仕事を妄想してみてはいかがだろうか。

advertisement

 もし、読んだ上で、自分にあった職業がみつけられなかった場合も安心してほしい。幻想世界には、「勇者に町の名前を教える」だけの“住民”という立派な職業があるのだから。幻想世界はやさしい。