涙の数だけ戦いがある。心に染みるキャットファイト

小説・エッセイ

更新日:2012/3/7

赤×ピンク

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:桜庭一樹 価格:525円

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赤×ピンク/桜庭一樹/角川書店

廃校になった小学校の中庭で、夜な夜な行われる女の子の格闘、『ガールズブラッド』。それぞれ個性的なユニフォームを身につけたファイターたちが、八角形の檻の中で試合を行います。

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私が特に印象に残ったのは、File.2のミーコの話です。昼間はSMクラブで女王様をして、夜になるとガールズブラッドでファイターをしている彼女は、昼の仕事でも夜の仕事でも、お客さんを喜ばせることを追及しています。

読み進めていくうちに、現在のミーコを作り出した過去の出来事が明らかになってくるんですけど、これがまた切ない話なんです。読んでいるうちにものすごく感情移入をしてしまって、いつの間にか目がウルウル状態になってしまいました。外出先で読んでいたので、ものすごく恥ずかしかったです。電子書籍って手軽に持ち運びができるので、外で読むことが多いんですけど、涙腺が緩みそうな作品は、読む場所を考えた方がいいかもしれませんね(笑)。

あと、File3の皐月と千夏の関係も、とても興味深かったです。普段、自分からあまり話をすることのない皐月が、なぜか会ったばかりの千夏には、すらすらと自分のことを話し出す…というシーンがあるんですけど、この部分を読んだとき、こうやって自然に自分のことを話せる相手に出会えることって、すごく幸せなことなんだろうなぁ…ってしみじみ思いました。

みんなそれぞれに悩みを抱えながらも、精一杯生きているガールズブラッドの女の子たちに、とても共感をおぼえた作品でした。


見ただけで思わずドキッとしてしまうようなコンテンツです

各Fileの冒頭には、さらにドキッとするようなことが書いてあります。これはFile1です

File2です

File3です

横書きにすると、なんとなく英語の部分に臨場感が出るような感じがしますね