大統領も熟読! アナタは未来を知りたくはありませんか?

公開日:2013/12/23

2030年世界はこう変わる―アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 講談社
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:アメリカ合衆国国家情報会議 価格:864円

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「僕の前に道はない、僕の後ろに道は出来る」。高村光太郎がそう詠ったように、これから自分が道を開拓するならば、その先の景色をどうにか確かめたくなるのが人間だろう。平坦なのか山地なのか、もしくは足下をすくわれそうな砂地なのか。自分が生み出す道の先を見据えたい。それから対策を練りたいなんて用意周到過ぎるだろうか。

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『2030年 世界はこう変わる アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」』には、米国国家情報会議が予測する2030年の世界が記されている。「個人の力の拡大」「権力の拡散」「人口構成の変化」「食料・水・エネルギー問題の連鎖」という4つのメガトレンドを中心に未来を分析した本書は、大統領選挙が行われる4年に1度資料が作られるもの。新大統領はこの資料を元に政策を実行していくものだ。この本を読めば、誰もが未来を垣間みることができる。大統領ばかりでなく、一般の人も知るべき事実が満載だ。

2030年、世界は今とは全く異なる様相を呈する。2015年にはアメリカの国力もピークを迎え、唯一の超大国の地位から脱落。経済発展著しい中国も2025年あたりを境に経済が失速するという。2030年頃、経済成長著しい国はインド・ブラジル・イラン。インドは2050年、ブラジルは2030年まで経済が飛躍的に成長する。

日本の国力は次第に衰退し、潜在的経済成長力が低下、財政破綻も懸念される。本書で「最も不安な国・日本」とまで書かれると、憤りが湧いてくるが、2030年の中心年齢がインドは32歳、中国は43歳に対して日本は52歳という事実を知ると、人口減少や高齢化も大きな原因だと理解出来る。たとえ競争力を失っても、誇れる日本であると良いのだが一体未来の日本はどうなるのか。経済的に日本が生き残るには、どうしたら良いのか。科学技術の振興か?この本を手にした全ての人があれこれと可能性を模索するのは非常に大切なことだと考えさせられる。

国力の優劣が変動する17年後。世界全体としては人口増加がとまらず、82億人を突破するのだという。エネルギー、食糧、水不足、温暖化、地域紛争など、大きな問題が降り掛かることになる。これからどんな未来を描くかは私達次第だ。これを踏まえて少しでも明るい未来が訪れるように今から少しずつ考えていかねばならない!

同じく未来を予測したヨルゲン・ランダース『2052 今後40年のグローバル予測』や人類の未来を守ろうと奮闘するダン・ブラウンの小説『インフェルノ』と一緒に読むのもオススメ。さらにあれこれと考えさせられること間違いない。未来を知りたい全ての人が読むべき1冊。


精読して血肉化しよう

2030年の主流は「中間所得者層」

グラフも豊富

表もわかりやすい

多くの可能性が述べられている