11年越しに2巻が発売! 色あせない、メイドLoveマンガ『シャーリー』

更新日:2014/9/25

シャーリー

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : KADOKAWA / エンターブレイン
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:森薫 価格:463円

※最新の価格はストアでご確認ください。

 このたび、10年越しで2巻が出た『シャーリー』です。古典ではないけれど、結構古いマンガですから。『乙嫁語り』の作者・森薫さんがデビュー前後に描いた作品です、というところからはじめたいと思います。森薫さんのデビュー作は、その後アニメ化もされた(2期まであった)『エマ』ですが、『シャーリー』もそれに近い20世紀初頭の英国が舞台です。カフェの女店主、ベネット・クランリーさん(28歳未婚)が、メイドの求人広告に応募してきたシャーリー・メディスンさん(13歳)を雇って、主従関係のようでもあるし、姉妹のようでもあるし、お友だちのようでもあるという、なんとも言えない魅力ある共同生活をしていく話です。

 あとがきによると、はじめて本格的に描いたマンガだということですが、この作品がきっかけでデビューし、『エマ』へと続くわけですから、1ミリもぶれないメイドを愛するその姿勢には、感服するしかありません。今でこそメイドカフェは乱立していますから、わからなくもないのですが、『シャーリー』が商業出版されたのは2003年のこと。同人作品なので、制作はもっと前。そして秋葉原にキュアメイドカフェがはじめてできたのもこの頃でした。タイミングはバッチリなのですが、時流に乗ったとか、掴んだ、という言い方は正しくないでしょう。

advertisement

 10年たって、こうして読み切りがたまって、2巻が刊行されたということからもわかるように、完全にライフワークですね。読んでいて感じるのも、技術でくみ上げたエンターテインメントというより、好きで仕方がないものを、熱く語る人の話を聞いているようなイメージです。10年後といわず、3巻を待ちたいですね。


年齢制限を書き忘れて出会ったのでした

シャーリーに人形のプレゼントをするベネットさん

髪の色だけでも語り出すと止まらない

今ほど溢れていなかった未婚ネタ…