暖冬なのに積雪! 「日本の四季」はなくなってしまうのか?

「日本の四季」がなくなる日 連鎖する異常気象

ハード : 発売元 : 小学館
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著者名:中村尚 価格:821円

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 夏は猛暑にゲリラ豪雨。冬は真冬に夏日があらわれ、春と勘違いしたタンポポが咲く。日本の四季がへん。これは異常気象? もし異常気象であれば、地球温暖化が原因でしょうか。『「日本の四季」がなくなる日 連鎖する異常気象』(中村尚/小学館)は、異常気象が起こるメカニズムやその背景にある気候変動、そして地球温暖化が日本におよぼす影響などについて、わかりやすく解説してくれます。

温暖化で気候は極端化、一方で季節感は後退する

「気候システムの温暖化には疑う余地がなく、また1950年代以降、観測された変化の多くは数十年から数千年間にわたり前例のないものである。大気と海洋は温暖化して、雪氷の量は減少し、海水面は上昇し、温室効果ガス濃度は増加している。」(IPCC第5次評価報告書・第1次作業部会報告書をもとに気象庁が翻訳した「気候変動2013」から。本書第4章『温暖化と「日本の冬」の将来』に掲載)このような報告書を読むと、温暖化が確実に進行していることを実感し、それが日本の気候にどのような影響をもたらすかが気になります。

それは次のように…(第3章「日本の四季」はどうなる)。
一、春だけではなく、夏秋にも黄砂は飛んでくる。
一、竜巻が頻発するようになる。
一、梅雨明けが遅れ、より長引くようになる。
一、梅雨明けに集中豪雨が起こりやすくなり、雨量も著しく増加する。
一、1時間に100ミリを超える雨などによって、堤防決壊、地下道浸水など想定外の被害が多発する。一、台風の数は減るが、狂暴化(スーパー台風)し、コースは全体的にこれまでより東寄りになる。

 本書では、とくに日本の冬の将来(第4章)についても触れています。それによると、季節風による寒気の南下が弱まり、寒さはゆるむが、日本海側では大雪になる可能性が増えるそうです。いまの秋の終わりや春のはじめのような気候が11月から3月ぐらいまで続き、真冬でも春一番を思わせるような風が吹く。当然冬の終わりが早まれば、桜の開花も早くなる。関東~九州地方では入学式の頃に見頃を迎える桜は、“卒業式の花”となり、入学式の頃には散る花へとなってしまうのです。

 温暖化が進めば異常気象が起こる確率はさらに高まり、日本の四季は、極端化する一方、季節感が後退したものになりそうです。

気候の変動ではなく、もとに戻らない気候の変化

 2015年の世界の年平均気温は、2014年に続き2年連続過去最高を更新したといいます(100年あたりで世界は0.71度、日本は1.16度上昇・平成27年12月21日気象庁発表)。地球温暖化は、人間の活動によって排出される温室効果ガス(二酸化炭素、一酸化炭素、メタンなど)によることはいうまでもありません。このまま人間が温室効果ガスを大気中に出し続ければ、温室効果はより強まり、自然の気候システムに影響を与え、その結果、気温は一方的にあがることになるそう。これは、平均気温から高い低いなどのずれはあっても、ならせば平均値におさまるような気候の変動ではなく、もうもとに戻らない気候の変化であると本書は説明しています。

 温室効果ガスの抑止に、なにができるのでしょうか。桜が入学式のころに咲くことは、もうないのでしょうか。本書には、テレコネクション(遠隔影響)、ロスピー波、アンサンブル予報など聞きなれない用語も出てきますが、それを上回る毎日お世話になっている天気予報や気象、気候についての発見があります。気象学は、紀元前4世紀ギリシャで活躍したある哲学者に始まるそうです。その哲学者とはアリストテレスでした。


目次から

異常気象は温暖化のほか、さまざまな要因が重なって起こります。キーワードは、テレコネクション(遠隔影響)です

今冬はエルニーニョ現象の影響で暖冬といいますが…



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