豪運こそが正義！ 大局を動かす男の挑戦

麻雀漫画というのは何故こうも読者を熱くさせるのか…。ルールをあまり知らない者でさえも虜にしてしまうその熱気が本当に魅力的なジャンルだと思います。

かくいう僕も麻雀は最近ルールを覚えたばかりで、そこまで深くは理解していないのですが、そんなことはお構いなしに「ジュンイチロウ」内閣総理大臣がばったばったと他国の首脳を蹴散らして行く様はとても痛快です。

麻雀に関しては特に語るべくもなく、超人麻雀っぷりを遺憾なく発揮しているので、そこはもうレビューを見てくださった方々に手に取って確かめてもらう他ありませんが、もうひとつの題材に「政治」という大それたものが設定されているのが過激なスパイスとして扱われています。というのもほぼ実名で登場する実在の愉快な登場人物、「ブッシュ」「パパブッシュ」「プーチン」等々の強国の首脳との対戦はハッタリが過度に効いていておもしろい。また読者目線な存在に「タイゾー」という登場人物も出てくるのですが（おそらくは例のあの人です）、彼の右往左往っぷりも見ていて愉快です。

しかしながら雀卓を囲んで見せるその男気や気合いが、現実の政治家のそれと乖離しているのが何とも物悲しい気持ちになるのもまた事実です。ここまで竹を割ったように牌を切る、その行為が実際の政治でも為されていれば随分と国民の共感を得ることになるのではないでしょうか。なんてちょっと勘ぐり過ぎでしょうか？

無論、フィクションですが登場人物の多くは潔く死を賭して戦います。別に死闘を推奨しているわけではなく、責任を取るという姿勢を「ジュンイチロウ」を始めとしたキャラクターから学ぶのも良いかもしれませんね。