20歳で子連れ再婚家庭=ステップファミリーのママに。連れ子とはどんな関係? 気になる生活を覗いてみよう【書評】
公開日:2025/3/31

事実婚や同性パートナーシップ。子どもを産まない選択肢や、養子を迎える選択肢。昔に比べ、少しずつだがいろいろな家族の形が広がっている。
『20歳でステップファミリーのママになりました。』(原作:香澄、作画:なおたろー)で描かれるのは、子連れの夫と再婚しステップファミリーとなった20歳女性の日常だ。
本作は、8.5万人の登録者を抱えるYouTubeチャンネル「うちの4兄弟4 siblings of my home」のママ・香澄さんの毎日をコミカライズしたコミックエッセイ。
夫の連れ子であり、今は立派な高校生となった長女・ねね、長男・にに。そこに新たに増えた次男・慶進(けいしん)、次女・燈海(ひなみ)も含め、香澄家はにぎやかな6人家族だ。
子連れ再婚家庭、と聞くとさまざまな事情を憶測する人も多いが、香澄さん一家にはそんな心配や懸念は一切必要なし! 家族全員が自然体で和気あいあいと暮らす。そんな親子の実生活や、ステップファミリー当事者だからこそ語れる本音を、本作は朗らかなタッチで描いている。
しかしここにくるまで、香澄さんも継母としての葛藤を抱えなかったわけではない。とくに周囲からどのように見えるのか、頭を悩ませたこともしばしば。
従来さまざまなフィクション作品で、継母・継父と子どもの関係性はデリケートなものとして描かれてきた。
たしかにそのような家庭があることは事実。だがそれと同様に、良好な関係を築き、まるで本物の親子のような強い絆で結ばれる家庭があることもまた事実である。
血の繋がりは大事なものかもしれない。だが、それが親子のすべてではない。
香澄さんが子どもたち4人を平等に我が子として想うと同様に、子どもたち4人も、とくに長女・長男も、香澄さんを実の母として慕っている。そんな様子がそれぞれのエピソードから伝わってきて、微笑ましい気持ちになること間違いなしだ。
多くの人にとって、まだまだ身近な存在ではないステップファミリー。
その存在にどうしても先入観が勝ってしまう人や、自分の知らない世界を知りたい、という人。そんな人にもぜひ目を通していただきたい。マンガとあわせて、香澄さんが家族の日常を届けるYouTubeチャンネルをチェックしてみるとより身近に感じるはずだ。