【森永卓郎さんに聞いた】「爆発的に稼ぎたいです」に「悪いことしないと無理です」とバッサリ。固定費を減らして幸せに生きる方法とは【インタビュー】
公開日:2025/12/8
ダ・ヴィンチWebで連載していた『モリタクさんの「お金の話」もりだくさん!』があんじゅ先生(@wakanjyu321)の手によってコミカライズ。舞台は、メイドカフェ「森盛」。お金に悩める相談者たちが森永卓郎さんに助けを求めて、今日も扉を叩く。お金の悩みは人生の悩み…森永卓郎さんの回答に、あなたの人生も救われるかも…!?
※森永さんのインタビューは2024年10月に行ったものです。



1.「メイドカフェ森盛」でお金の相談をするという設定でコミカライズとなりました。予想していなかった設定だと思うのですが、ご感想をお聞かせください。
森永卓郎さん(以下、森永さん):私は日本メイド協会の理事をしていました(解任されていないので、いまでもそうかと思います)。そのため、メイドカフェでの相談という設定は、予想外ではなく、むしろ自然なものだと感じています。現実に、メイドカフェでは、意外に人生相談のようなことが行われています。






2.「まともな方法で爆発的にお金を稼ぐことはできない。爆発的に稼いだことがある人は、運がいいか、悪いことをしたかのどちらかしかいない」という流れで、闇バイトの話が出てきました。誰もがSNSを通じて不特定多数の顔の見えない人々とつながることができる現代、どこに落とし穴があるかわからないのが現状です。森永さんはX(旧Twitter)をされていませんが、SNSについてはどのようなお考えをお持ちでしょうか?
森永さん:私がSNSをやっていないのは、SNSに生活を縛られてしまうからです。実際に、あちこちからSNSで連絡が来ると、ずっと無視を続けることは、むずかしく、結局、振り回されることになってしまいます。「それは、メールでも同じではないか」と思われるかもしれませんが、いま私は一般の人からのメールに関しては、返信1回につき税別1万円の料金を取っています。そうすると、返信の手間が100分の1以下に減ります。
豊かな暮らしをするために優先すべきは、自分の自由時間をいかに減らさないかということだと思います。






3.「お金は海水と同じ」という格言を紹介していただきました。お金に関する格言は世の中にいくつも存在すると思いますが、他に森永さんの好きな格言があれば教えてください。
森永さん:数ある格言のなかで、「辛抱する木に金がなる」が一番私の思想に近いです。ギャンブルで儲けた金は残りません。投資で増やしたお金は、バブル崩壊で水泡に帰します。お金は基本的に働くことでしか増えません。小さな節約をコツコツと積み重ねることが、いざという時のための貯蓄につながるのだと思います。









4.「家計簿をつける」など節約をするために効果のある技を教えてください。
森永さん:いかに固定費を増やさないか、あるいはいかに固定費を削減するかが、一番、節約に効果があります。ここに示したように、都心からトカイナカに拠点を移せば、家賃や物価が大きく下がると同時に、高級レストランやキラキラしたエンターテインメントからの誘惑がなくなるため、基礎消費が大きく下がります。都心に住み続けた場合でも、アマゾンプライムなどのサブスクをすべて解約すれば、固定費は大きく下がります。また、「ケチ、しぶちん、セコイ」は誉め言葉だと思えば、固定費を削減しやすくなります。とにかく見栄をはらないことです。


5.爆発的にお金を稼ぐことにとらわれず、幸せになるための生き方を学べる回でした。森永さんにとっての理想の豊かな生活を教えてください。
森永さん:本当に幸せな暮らしは、「自分のやりたいことをやれる暮らし」だと思います。それには、必ずしも、お金が必要ではありません。
いま、財務省の正体や日本航空123便の墜落事件に関する真実を世間に伝え続けています。そのことで、すっかりテレビ局から干されて、お金を稼ぐことはむずかしくなっていますが、お金のために黙っているより、ずっと心は豊かになっています。
その他に、いまB宝館という私設博物館を運営して、トミカとグリコのおもちゃの図鑑を作っています。マジョレットについても企画を進めています。来年は、昭和100年なので、それに合わせたイベントも企画しています。
さらに、童話の絵本と日本初の寓話集の出版に向けて、準備を進めています。
自分のクリエイティビティを発揮すること、自分の舞台で演ずることが、人生で一番楽しいことだと、いま深く実感しています。
<第2回に続く>