【森永卓郎さんに聞いた】「庶民が投資で勝つ方法は?」→「金持ちが必ず勝ちます」金持ちではない人はどうしたら幸せになれるのか?【インタビュー】
公開日:2025/12/22
ダ・ヴィンチWebで連載していた『モリタクさんの「お金の話」もりだくさん!』があんじゅ先生(@wakanjyu321)の手によってコミカライズ。舞台は、メイドカフェ「森盛」。お金に悩める相談者たちが森永卓郎さんに助けを求めて、今日も扉を叩く。お金の悩みは人生の悩み…森永卓郎さんの回答に、あなたの人生も救われるかも…!?
※森永さんのインタビューは2024年12月に行ったものです。






1.「仮想通貨で儲かった」と話す人にオフ会で出会い、「自分も!」と思って買った瞬間に暴落。一瞬のうちに150万円を溶かしてしまった田沼さんが登場しました。
投資詐欺を持ち掛けてくるような人は、決まって「いい人そう」で「懐に入るのがうまい」傾向にあるような気がします。森永さんほど有名な方であれば、これまでたくさんの怪しい話が持ち掛けられたのではないかと想像します。人を見極める時に、ここに注目して人を判断するようにしている、というようなポイントはありますか?
森永卓郎さん(以下、森永さん):投資詐欺を持ちかける人の特徴は、以下の3点があると思います。
1.勧誘相手を焦らせる
いまだけですよ。あなただけ特別の商品です。みなさんやっていますよ。
2.とても親切で、アドバイスへの対価を求めないだけでなく、何かくれることも
相談は無料です。あなたには、有名評論家が書いたこの本を差し上げます。
3.やたらと、専門用語を使いたがる。しかもそれが間違っている。
4.法律に違反することを言う
投資のアドバイスには投資助言業の登録が必要だが、それをしていない。
確定利回りや元本保証を言えるのは金融機関だけです。






2.ビットコインやイーサリアムなどに代表される仮想通貨に対する森永さんの見解を教えてください。
森永さん:例えば現金には、その裏付けとして中央銀行が購入した資産(例えば国債)があるのに対して、仮想通貨には裏付けが一切ありません。つまり、仮想通貨というのは、本来無価値のものです。欲しい人がいるから値段がついているだけなので、投機家に見放されると完全に無価値になります。仮想通貨のゴールは、価値ゼロです。






3.今回の相談者の場合、仮想通貨投資を持ち掛けてきたおじさんには1円の利益も入ってきていない(仮想通貨というものがあると教えてくれただけ)ので、実際には投資詐欺に遭ったわけではありません。もしおじさんが欲深く悪質だった場合、どんな詐欺を持ち掛けられることが考えられますか?
森永さん:最も多い手口は、お金を預かって仮想通貨に投じると言います。そこで、大きな利益が出たと通告し、さらに大きな資金を引き出します。そして、依頼者が解約を申し出ると、税金とか手数料とかの名目で、さらなる資金負担を求めるというものです。






4.庶民対金持ちの1対1で、どちらかが勝てば一方が負けるゼロサムゲームであっても、株式市場のような、企業が成長する限り総和が大きくなる非ゼロサムゲームであっても、結局、資金のある者が最終的には勝ちやすい、という話でした。改めて、金持ちの戦略について解説をお願いできますか。
森永さん:実は、株式市場も、企業が成長する限り総和が大きくなるということはありません。バブルがはじけ、資本主義が終われば、最終的に株式時価総額はゼロになります。
バブル崩壊の被害は、最後までババを手にした人に集中するので、賢い金持ちは、バブル崩壊が始まった時点で、即刻、投資市場から逃亡します。ただ、金持ちでも逃げ遅れる人が多いので、暴落を乗り切れる人は、あまり多くありません。









5.投資だけで資産を形成することなどできない、節約しながら生活に支障の出ない程度に楽しむのがいい、というお話でした。やはり根幹になる部分は、労働の対価として賃金を得て、それをできるだけ大切に使うことが重要なのですね。森永さんは大学卒業後、日本専売公社(現・JT)に就職して、そこで壮絶な極貧生活を経験した、と伺っています。当時のお金に対する考えはどのようなものでしたか?
森永さん:子供が生まれていたのに、手取り収入は6万円台しかありませんでした。そこで、雑誌の寄稿のアルバイトを始めました。それが好評を得て、最盛期は連載が30本以上に増えました。その時にライターの先輩から受けたアドバイスが「親が死んでも締め切り厳守」でした。それから40年近く、締め切りを落としたことは一度もありません。
<第4回に続く>