「電話をお回しします」は失礼かも!?/毎日雑学

暮らし

公開日:2025/2/13

「電話をお回しします」って電話は回さないで!

「回す」の意味には、回転する、周りを取り巻く、配慮を行き渡らせる、順に送る、などがあります。「電話を回す」という表現は、この中の「順に送る」が「転送する」のイメージに近いための誤用だと考えられます。また、「たらい回し」を連想させるため失礼にもあたりますね。

 いずれにしても、電話の取次ぎは、「回す」のではなく、特定の人に「つなぐ」ということです。「~におつなぎいたしますので、少々お待ちください」という表現が適切です。

〈電話応対ワンポイントアドバイス!〉
 電話をつなぐ前に、在席しているかどうかの確認作業があります。その際「確認いたしますので少々お待ちくださいませ」と言って保留にし、その後、保留を解除したときの第一声がポイントです。ぜひお名前を呼んでみてください。「○○様! お待たせいたしました。△におつなぎいたします」とすると、相手の方は自分の名前を呼んでくれたことに優越感と親近感をもち、嬉しい気持ちになるでしょう。ということは、その後の会話も気持ちよく進み、会社のイメージアップにもつながります。取次のほんの少しの気配りもビジネスの大切なワンシーンなのです。

文=尾形圭子

尾形圭子

株式会社ヒューマンディスカバリー代表取締役
キャリアカウンセラー/人材育成講師/僧侶
航空会社と企業の人事部門を経て2004年に会社設立。ビジネスマナー、コミュニケーション、クレーム対応などの研修・講演活動を行うほか、福祉事業所や病院でホスピタリティを活かした「寄り添いの接遇」を指導。「言葉に心をのせて」を大切にしている。
著書は「一生使える電話のマナー」(大和出版)「すぐに役立つ大人のマナーブック」(JAグループ出版)など30冊以上。

※提供している情報には諸説ある場合があります。ご了承ください。

<第241回に続く>

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