ご祝儀の金額、なぜ奇数にするの?/毎日雑学
公開日:2025/2/17

●ご祝儀の金額、なぜ奇数にする?
お祝いのときに「3」や「5」といった奇数が尊ばれるのは、中国から伝わった「陰陽思想」の影響で、奇数は「陽の数」としておめでたい時に好まれるからです。
そして、「結婚の御祝いは3万円が相場」と思い込んでいる方も多いかもしれませんが、実はこの金額が定番とは言い切れません。披露宴会場では大半の方がご祝儀袋に入れた御祝いを当日受付で渡していますが、ひと昔前は事前に相手の家に御祝いを届けるのが丁寧な対応でした。その場合、御祝いの品であったり現金を包んだご祝儀であったり、あるいはその両方というケースもありました。
しかし物が溢れる時代になり、また個人の嗜好も多様化して、“忙しいので当日が便利”、“好きな物を買えるので現金がよい”という双方の意向から、現在のような状況になりました。また、ご祝儀の考え方は、「披露宴の食事代と引出物」プラス「御祝い」ということから3万円が妥当と言われましたが、今では披露宴の様式(会場の格、参列者の数、カジュアルかフォーマルか)などによって実質的なコストはまちまちです。招待客は、それらを勘案し、新郎新婦との関係やご自身の立場などからご祝儀の額を決めるのがよいでしょう。したがって誰に対しても一律同額ではない、と心得ておきましょう。
文=明石伸子
明石伸子(あかしのぶこ)
NPO法人日本マナー・プロトコール協会 理事長
青山学院大学卒業後、日本航空室乗務員、会社役員秘書などを経て独立。2003年NPO法人日本マナー・プロトコール協会を設立し、文部科学省後援「マナー・プロトコール検定」や「コミュニケーションマナー検定」の開発、運営を実施。講演や研修などを通じて、それらの啓発・普及に力を注いでいる。
その他の役職:NHK経営委員、一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会理事。学習院女子大学非常勤講師など(2025年1月現在)。
主な著書、監修:「間違いやすい順 社会人のマナー大全」(宝島社)、「この1冊でOK!一生使えるマナーと作法」(ナツメ社)、その他、連載多数。
■日本マナー・プロトコール協会
https://www.e-manner.info
■コミュニケーションマナー検定
https://e-manner.net/
■マナー・プロトコール検定
https://mp-kentei.info/
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